ネイサンは右手で銃器を取り扱えるが、携行できる武器は標準装備のセミオートマチック拳銃(固定武装)、手榴弾(固定武装)、任意の特殊重火器の3種類のみ。特殊重火器は、ライフルからロケットランチャーまで、多彩なモノが登場するが、携行できるのは1個だけ。つまり、戦局ごとに、どんな特殊重火器が有効なのかを見極めていくことこそがこのゲームの基本攻略方針となる。

特殊重火器にはロケットランチャーのような超強力なものも登場。中ボス団体戦には数減らし的な意味合いにおいて積極的に活用していきたい

なお、弾薬はすべて有限個扱い。つまり、使えば消費されるシステムなので、無駄撃ちは厳禁なのだ。とはいえ、万が一、弾薬がなくなってしまっても、ネイサンにはバイオニック・アームがあるので、いかなる状況でも何らかの攻撃行動は可能。近くにある岩石、廃棄車両などは、立派な質量兵器として使える。掴んで投げつければ下手な銃器攻撃よりもよっぽど大ダメージを与えられるほどなのである。中ボスや、大ボスクラスでは、逆に重量物を掴んで投げることでしかダメージを与えられない場合もあるので、銃器とバイオニック・アームの使い分けは常に意識しておきたい。

銃弾がなくなっても車を掴んで投げれば立派な質量弾攻撃が可能!

前述したように、ネイサンには体力ゲージがないものの、「アドレナリンゲージ」というものが設定されている。これは、敵を倒すごとにアドレナリンがチャージされるしくみとなっていて、ゲージ満タン時には広範囲攻撃ができる「アドレナリンアタック」を発動することができるのだ。とはいえ、実際のところ、筆者は本作を最後まで通してプレイしたが、このアドレナリンアタックにはほとんどお世話になることはなかった……。

ステージ構成はバラエティに富んでおり、広大な洞窟空間、ジャングルのような植物が生い茂る自然公園地帯、巨大機動要塞などなど、とにかくあっと驚くロケーションが用意されている。

飛行する飛行艇を飛び繋いでいくなんていうシーンも!?

本作は、全体的にゲームオーバーになりやすいゲームではあるが、たいていの場合は、放射能死や水没なので、根本的なゲーム性という点での難易度はそれほど高くないと思う。とはいえ、トリッキーな仕掛け満載の大ボス戦は初戦ではかなり苦労するかもしれない。しかし、弱点が比較的わかりやすくなっており、その"ネタ"がわかってしまえばそれほど難しくはない。見上げるような巨体のボスを、人型サイズのネイサンでぶちこわしていける爽快感は、この作品ならではの醍醐味だ。「難しい! 無理!」といってすぐに投げ出さず、頑張って攻略に挑んでほしい。

ストーリーは、オリジナルがクラシックゲームだとは思えないほど重厚でシリアスな展開をみせる。ただし、日本のアクションアドベンチャーのような冒険活劇的なシナリオを楽しむというよりは、ネイサンを操って、高低差の激しいゲーム世界に対してスウィングアクションで激しくインタラクションしていく、そういったゲームプレイそのものを楽しむゲーム、といえそうだ。

暗い洞窟の向こうに待ち受けるモノはなにか!?

ボス戦はある意味パズル。どこが弱点なのか、そして相手からの攻撃の有効な回避方法を見つけていくことが攻略の鍵となる

ネットワーク対戦プレイは、Xbox 360版はXbox Live、PS3版はPSNを通しての対応となっている。最大同時プレイ人数は8人まで。ゲームモードは「デスマッチ」「チームデスマッチ」「キャプチャーザフラッグ(CTF、旗取り合戦)」の3モードが用意されている。なお、ネット対戦モードではプレイヤーキャラクターはバイオニック・アームを身に付けてはいるが、ネイサンではない一般のバイオニック兵を操ることになるので、若干能力が劣り、重量物を投げたりすることはできなくなっている。ただし、スウィングアクションはもちろん可能なので、『バイオニック コマンドー』の世界観を十分に味わいつつプレイを楽しむことができる。

今年の夏休みは、『バイオニック コマンドー』で、飛んで、跳ねて、掴んで、投げて、楽しく過ごしてみてはいかが?

美しいグラフィックスも注目だ!

(トライゼット西川善司)

ゲームタイトル バイオニック コマンドー
メーカー カプコン
ジャンル 新世代スウィングアクション
対応機種 プレイステーション 3
Xbox 360
発売日 2009年6月25日 (発売中)
価格 7,340円 (プレイステーション 3)
7,340円 (Xbox 360)
CEROレーティング D (17才以上対象)
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