100年に一度といわれる大不況。そして新型インフルエンザパニック。マイケルの死。何かと暗い話題が多い2009年。このまま沈んだ年にしてしまっていいのだろうか。いや、少しは「上り調子」気味にしておかないと、気がめげてしまう。

やっぱり、"気は持ちよう"なわけで、運気を上げるには率先して楽しい体験をするのが一番。かといって今年は、海外旅行も敬遠されがちのようだし、高速道路の割引システムの副作用による大渋滞で国内旅行も手近なところで間に合わせちゃう人が多いかもしれない……。

だったら、お家でゲーム。しかも、ウキウキ飛び上がれるような体験ができるゲームをしよう。ということでオススメしたいのが、6月25日にカプコンより発売された新世代スウィングアクション『バイオニック コマンドー』だ。すでにプレイステーション 3版とXbox 360版が発売中。近い将来にはPC版も発売される予定のこの作品は、間違いなく、今夏、一番チャレンジングなゲームとなっている。

カプコンより6月25日に発売された『バイオニック コマンドー』

はたして『バイオニック コマンドー』とは?

カプコンから発売された『バイオニック コマンドー』は、1987年にアーケードゲームとしてデビューした『トップ・シークレット』と呼ばれる横スクロール・アクションゲームのリメイク版であり、グレードアップ3D化版であり、また続編でもある作品だ。

この初代「トップ・シークレット」は、海外では『バイオニック コマンドー』としてデビューをはたしており、これが今作のタイトルの由来となっている。ちなみに、後に発売されたファミコン版では『ヒットラーの復活』というサブタイトルが付き、『トップシークレット』と比べて、少し世界観が変更されている。ちなみに、このファミコン版についてはPS3/Xbox360向けにさらにリメイクを推し進められた『バイオニック コマンドー マスターD復活計画』として、2008年夏よりオンライン販売されている。こちらも、完成度が高く、カジュアルゲーマーやレトロゲーマーから高い評価を得ており、販売開始から1年経った今でも人気作品となっている。本稿で紹介する『バイオニック・コマンドー』本編は、このオンライン配信版と世界観を同じくした続編となっているので、事前に、あるいは一緒にプレイしておくとさらに楽しめるはずだ。

現在好評配信中の『バイオニック コマンドー マスターD復活計画』。ダウンロード価格は、Xbox 360版が800マイクロソフトポイントで、PS3版が1,200円

本作『バイオニック・コマンドー』は、この『マスターD復活計画』から10年後の世界の物語となっている。

10年前の「マスターD復活計画」は、主人公の"ラッド"ことネイサン・スペンサーと、"スーパー・ジョー"の異名をとるジョセフ・ギブソン(カプコンの名作シューティング『戦場の狼』の主人公でもある)との共闘により阻止され、世界は平和を向かえる。これ以降、人体の一部を強化するバイオニック技術が劇的に進化するが、バイオニック技術を適用された改造人間は、その特殊能力の優位性が逆に仇となり、一般市民から忌み嫌われるようになってしまう。そして、この対立構造は倫理問題にまで発展。世論は「バイオニック技術禁止」へと向かうのであった……。

ショック!! 死刑宣告され、投獄されていた主人公

一般人とバイオニック改造人間たちとの軋轢が深まれば深まるほど、暴動やテロが際限なく起こるようになり、平和維持のために連邦大統領はついに「バイオニック技術の禁止政策」を施行する。

バイオニック技術をすでに身に付けていた、バイオニック兵たちの多くは、この禁止政策に反発して逃走。10年前の「マスターD復活計画」を推し進めていた帝国軍の残党と結託して「バイオレイン」という反連邦国際テロ組織を台頭させる。

本作の主人公であるネイサン・スペンサー。「マスターD復活計画」と同一の主人公だが、長年の投獄生活でドレッドヘアに!?

シリーズの主人公である、ネイサン・スペンサーは、妻エレンの失踪に苦悩しているところに、この「バイオレイン」の引き起こした一連のテロ事件の容疑者という濡れ衣を着せられ、死刑宣告を受けて投獄されてしまう。

その後、「バイオレイン」は、ウィザラー爆弾と呼ばれる核兵器的な大量破壊兵器を連邦首都のアセンション・シティに投下。アセンション・シティは放射能が蔓延する死の都市となり、「バイオレイン」の支配下となる。勢力を強めた「バイオレイン」は、この廃墟の都市で、全人類の安全を脅かす恐ろしい計画を発動するのだった。

大量破壊兵器の先制攻撃を受けて為す術のなくなった連邦軍長官のスーパー・ジョーは、妻エレンの消息情報と釈放の恩赦をエサに、死刑囚ネイサン・スペンサーに、連邦軍への再協力を求める……。

これが「バイオニック・アーム」

(次ページへ続く)