千葉県千葉市の幕張メッセにて6月10日~12日まで開催されている「DSJ (Digital Sinage Japan) 2009」。その展示会場では、最新技術を駆使した、近未来を感じさせるデモがいくつも行われている。本稿では、その中からゼロユニットとテクノハウスのブースをピックアップし、紹介していこう。

マイノリティ・リポートの世界が現実に! 空中映像投影装置「Holo」

特別なメガネをかけなくてもはっきりと映像が空中に浮遊して見え、しかもその映像を映画『マイノリティ・リポート』の1シーンのように、横に払ったり、軽く叩いたりといったジェスチャーで操作することができる――そのような装置がDSJ 2009で展示されている。

同装置は、米PROVISIONが開発する「Holo」というもの。国内販売を手掛けるゼロユニットのブースで展示されている。会場には、投影ディスプレイが40インチのものと、17インチのものの2種類が用意されており、後者にはジェスチャーを感知する機能が搭載されていて、画面を自在に操作することができる。また、前者に関しては、透明にしたり、半透明の状態で映像を写したり、不透明の状態に切り替えたりできる特殊なディスプレイと組み合わせたデモとして設置。空中映像に背景を付けられるほか、通常のディスプレイ広告から突如立体映像が空中に飛び出すといった演出も可能だという。

Holoの40インチの投影装置と、特殊なディスプレイを組み合わせた展示。この写真ではわかりづらいが、半透明のディスプレイに宇宙の映像が流れ、その前方90cmの場所に立体的な月が浮かんでいる

Holoの17インチの投影装置の展示。上方のディスプレイは投影内容の確認用に設置された通常のもので、その下の台形部分に映像が飛び出して見える。その下にはセンサーが設置されており、手の動きを感知して画像を操作する

立体映像を操作しているときの様子

円筒型透明ディスプレイ「lifefast」

テクノハウスのブースでは、円筒型の透明ディスプレイ「lifefast」が展示されている。PCなどの画面を表示することが可能で、一般の画面で黒に表示される部分がlifefast上では透明になり、円筒部の中身が見えるようになる、というのが大きな特徴だ。

PCなどの画面を表示できる円筒型ディスプレイ「lifefast」。中にあるロボットの頭が透けて見えている

同ディスプレイは、LEDを搭載した幅10cmくらいのバー4本が円筒の周囲を高速回転して画像を映し出している。その速さは1分間に800回転。黒の部分ではLEDが消灯するため、残像が残らず内部が透けて見えるという仕組みになっている。