"脱獄"不要、iPhoneでXクライアントを表示できる「iX11」

Zinger-softは、iPhone向けX Window System「iX11」をリリースした。対応デバイスはiPhoneとiPod touch、動作環境はiPhone OS 2.2.1以降。App Storeでの価格は230円に設定されている。

iX11は、X.Orgが開発を進める「X.Org X11R7.3」のiPhone移植版。Xサーバとしての機能を備え、フルカラー / 1,024×768ピクセルの解像度に対応、実ピクセルサイズだけでなくiPhoneの画面に収まるよう縮小表示することも可能。マウスの左右ボタンは画面のタップで代用できるほか、キーボードとカーソルキーも透過表示させての利用が可能。xtermやxclockといったXクライアントのほか、twmやGNOME、KDEといったウインドウマネージャ / デスクトップ環境も利用できる。

iX11は暗号化 / トンネルに対応しないようビルドされているため、SSHトンネルなどの手法を使わずXクライアントを表示できる。リモートホスト側でDISPLAY環境変数にiPhoneのIPアドレスを設定し、コマンドを実行するだけでiPhoneにXクライアントを表示できる。たとえばiPhoneのIPアドレスが192.168.12.3の場合、シェルで「export DISPLAY=192.168.12.3:0」と実行したあと、「xeyes &」と実行すれば、iX11にxeyesが表示される。

Zinger-softでは、今後iX11にXDMCPの実装を計画している。XDMCPが実装されれば、iPhoneから他のXサーバとのセッションを開始することができる。また同社では、iPhone用SSHコンソール「iSSH」を発売しており、今後リリース予定のバージョン3.0ではXサーバの同梱が計画されている。

Mac OS Xで実行したXクライアントを表示したところ。ウインドウマネージャにはtwmを使用している