米Microsoftは5月11日(米国時間)、現在リリース候補(RC)版の提供段階にある「Windows 7」の開発プログラム情報をアップデートし、同OSを搭載したPC製品が09年ホリデーシーズンに間に合う見通しを示した。

Windows 7開発を統括するSteven Sinofsky氏によると、Windows 7 RC版を利用しているテスターからのテレメトリ・データに大きな問題が発生しなければ、3カ月程度でRTM(製造工程向けリリース)プロセスの最終段階へと移行できる。RTMでは、Microsoftのハードウエアパートナーがそれぞれの製品向けにカスタマイズしたWindows 7のイメージを作成し、搭載PCの製造を取りかかる。またMicrosoft自身も小売りパッケージの製造を開始する。この8月半ば頃までのRTM最終段階を実現できれば、「(09年の)ホリデーシーズンにWindows 7搭載PCを投入するという、われわれの共通の目標が達成範囲になる」という。そのRCプログラムの進捗状況については、現在米ロサンゼルスで開催中のTech・Edの基調講演でWindows Business担当SVPであるBill Beghte氏が「初期のRCテストおよびパートナーからのフィードバックを消化しながら、Windows 7はホリデーシーズン登場に向けて順調に進んでいる」と報告している。

ただしMicrosoftが最優先しているのは"高い製品品質"と"上質な仕上がり"であり、その実現のために現時点ではまだ「期限を設定していない」とSinofsky氏。RC段階で開発チームはWindows 7のふるまいをモニターするポイントを増加し、テレメトリ・データを参考に、主にチューンナップや不具合の修正を行っている。テスターからの機能追加の提案も受け付けているが、それらが反映されるのは製品リリース後のアップデートからになる。RCからRTMの間の改善ポイントとしてSinofsky氏は、「インストレーション・プロセス」「セキュリティ問題」「クラッシュおよびフリーズ」「デバイスのインストールと互換性」「ソフトウエア・インストール」「サービス」「ハードウエア・サポート」などを挙げている。米国時間の12日にWindows 7 RC版向けのアップデート・サービスのテスト提供が行われる予定で、これがRCプログラム初期段階の山場になりそうだ。