常に持ち歩く携帯電話は、"マネー"との親和性が高い。たとえば、おサイフケータイでSuicaやEdyなどの電子マネーを利用している人は多いだろう。そこで本企画では携帯電話とマネーサービスとの関係に着目。さまざまなサービスの便利でお得な利用法を紹介する。

第1回プリペイドカード編

本企画では3回にわたって携帯電話から利用できるマネーサービスを紹介している。2回目となる今回は、携帯電話から各種銀行手続を処理する「モバイルバンキング」について解説する。

銀行が提供するインターネットバンキング

銀行のサービスをインターネット経由で利用することをインターネットバンキングと呼ぶ。残高確認や振込、振替はもちろん定期預金への入金、住所変更といった通常は銀行窓口で行うような手続をWebブラウザ上で行うことができる。これまでは従来の銀行がインターネット経由でサービスを提供することが多かったが、いまでは実店舗を持たないネット専業銀行も存在する。

ネット専業銀行は現在、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、イーバンク銀行、住信SBIネット銀行、じぶん銀行がサービスを提供している。写真は(イーバンク銀行)のインターネットバンキング

通常の銀行(三菱東京UFJ銀行)のインターネットバンキング

携帯電話とモバイルバンキング

本企画では、インターネットバンキングを携帯電話から利用することをモバイルバンキングと呼ぶ。モバイルバンキングは、携帯電話向けコンテンツとしての歴史が古く、iモード生誕初期にはすでにモバイルバンキングが利用可能であった。モバイルバンキングサービスを提供している銀行は、各携帯電話キャリアの公式メニューに掲載されているので、自分が口座を持つ銀行が対応しているか確認してみるとよいだろう。

各キャリアのモバイルバンキングカテゴリ。iモード(左)、EZweb(中)、Yahoo!ケータイ(右)。インターネットバンキングを提供している銀行は、モバイルバンキングも提供している場合が多い

操作性に優れ機能豊富なモバイルバンキング専用アプリ

常に持ち歩く携帯電話は、24時間サービスを提供するモバイルバンキングとの親和性は高い。以下では携帯電話でモバイルバンキングを便利に利用できるサービスを紹介しよう。

モバイルバンキングでは、携帯電話のWebブラウザで利用する場合が多いが、銀行によってはモバイルバンキング専用のアプリを提供している。専用アプリの場合、グラフ表示や電子マネーのチャージなどより便利な機能を備えていたり、快適な操作性を実現したものが多い。自分の銀行が専用アプリを提供しているなら積極的に利用したい。

三菱東京UFJ銀行の「ケータイアプリバンキング」

モバイルバンキング用アプリは銀行提供によるもののほか、NTTドコモが「iアプリバンキング」を提供している。904iシリーズ以降の端末にはプリインストールされており、903i/703iシリーズではアプリをダウンロードして利用できる。iアプリバンキングに銀行口座を登録することで、残高や取引履歴の確認、各種手続が可能だ。現在iアプリバンキングには、みずほ銀行と三井住友銀行が対応している。

iアプリバンキングでみずほ銀行の残高を確認

各種手続を携帯電話で行える

携帯電話のための銀行「じぶん銀行」

このほか携帯電話からの利用に特化した銀行サービスとして、KDDIと三菱東京UFJ銀行が出資する「じぶん銀行」をあげることができる。じぶん銀行のサイトはドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアに対応しており、auの携帯電話には専用アプリ「じぶん通帳」が提供される。2008年秋冬モデル以降のau携帯電話にはじぶん銀行専用のメニューが用意され、「じぶん通帳」に素早くアクセス可能だ。

じぶん通帳で残高を確認

残高推移も表示できる

じぶん銀行では、相手のau携帯電話番号と口座名義の先頭2文字を指定するだけで振り込める「ケータイ番号振込」が利用できる。同サービスは、口座番号を必要とせず、携帯電話番号で振り込めるので便利だ。利用するには、双方がじぶん銀行を開設済みで、口座情報とau携帯電話の契約情報を関連付ける「au情報リンクサービス」を登録しておく必要がある。

ケータイ番号振込

口座番号による振込もできる

モバイルバンキングで生活の無駄をなくせ!

モバイルバンキングを積極的に利用すれば、いつでもどこでも各種銀行手続を処理できるので、店舗まで足を運ぶ手間が省ける。ついでに移動コストも節約できる。また、他行振込手数料やATM利用手数料を無料にするサービスを提供する銀行もあるので、改めて自分が利用している銀行のサービスを見直し、賢く活用して無駄をなくしていきたい。

次回は最終回として、携帯電話で利用する電子マネーの大本命といえる、おサイフケータイとFeliCa電子マネーの最新動向を取り上げる。

(吉川英一/K-MAX)