キヤノンは24日、インクジェットプリンタ「PIXUS」の2009年春モデルとして、A3ノビ/半切対応の10色顔料プロフェッショナル向けフォトプリンタ「PIXUS Pro9500 Mark II」、および8色染料プロフェッショナル向けフォトプリンタ「PIXUS Pro9000 Mark II」を発表した。価格はオープンだが、同社オンラインショップではそれぞれ79,980円、59,980円で販売されている。発売はそれぞれ4月下旬、4月中旬に予定されている。

「PIXUS Pro9500 Mark II」

「PIXUS Pro9000 Mark II」

今回発表された2製品では、搬送ローラーと排紙ローラーを1:1で駆動させることでローラーの紙送り量の制御を従来モデルよりも高精度に行えるようになった他、Wエンコーダーシステムの採用により、後端領域の搬送精度が向上し、プリントスピードが大幅に高速化している。

また、同社の一眼レフデジタルカメラ「EOS」に付属する「Digital Photo Professional」から、PIXUS Pro9500/9000 Mark II付属の統合プリントソフト「Easy-PhotoPrint Pro」にプラグインして印刷することで、印刷設定やカラーマネジメントの操作を簡略化できる。Easy-PhotoPrint Proでは、写真の一部を拡大したパターンが印刷可能となるなどパターン印刷機能の強化がはかられた他、撮影情報の印刷位置の変更や、作品を見せる環境での見え方も重視した環境光補正機能(Vistaのみ)の搭載が行われた。

PIXUS Pro9500 Mark II

PIXUS Pro9500 Mark IIは、10色顔料インク「LUCIA」を搭載し、レッド、グリーンの特色インクによる色域拡大と色安定性だけでなく、最小インク滴3plと最高解像度4,800dpiによる高精細・高画質プリントを実現している。また、フォトブラックに加え、マットブラック、グレーインクを採用し、色転びの少ない安定したグレーバランスや光源環境による見え方の差(メタメリズム)の低減、階調部分の粒状感の低減が行われた。

紙送りの安定化、印字制御の改良、メカ精度向上などにより、カラーとモノクロの印刷速度が約7分55秒(A3ノビフチあり)へとスピードアップした。また、ダブルエンコーダーにより、後端印刷時の使用ノズル数が増えたため、フチナシ印刷のスピードアップを実現している。さらに、従来モデルではブラックとカラーの光沢度に違いにより、画像によっては光沢度の低い黒い部分で光沢感が落ちることがあったが、PIXUS Pro9500 Mark IIでは、黒い部分にグレーインクを多く使用することで、強光沢の純正用紙となるキヤノン写真用紙・光沢プロプラチナグレード使用時にブラックとカラーの光沢度の違いを低減し、光沢感の改善を実現した。

本体サイズはW660×D355×H193mm、重量は約15.2kg。対応OSはWindows 2000/XP/Vista、Mac OS X 10.3.9以降。インタフェースはUSB 2.0。印刷スピードは、A4写真(カラー)が約4分5秒/枚、A3ノビ写真(カラー)が約7分55秒/枚、A3ノビ写真(モノクロ)が約4分5秒、L判写真(カラー)が約1分45秒/枚。

PIXUS Pro9000 Mark II

PIXUS Pro9000 Mark IIは、8色独立染料インク「ChromaLife100」を搭載し、レッドとグリーンの特色インクを採用することで6色インクと比較してレッド領域が約60%、グリーン領域が約30%向上している他、全弾2plの粒状感の少ないなめらかな階調表現を実現した高画質プリンタ。染料インクによる高発色・強光沢プリントが可能で、特に強光沢の純正用紙となるキヤノン写真用紙・光沢プロプラチナグレードを使用すれば、より光沢感のある高画質プリントが行える。

印字制御と搬送精度の改良でモノクロプリントの画質を従来モデルと比較して、約27分14秒から約9分30秒(A3ノビフチあり)へと約3倍にまで向上しただけでなく、これまでモノクロ印刷時に必要だった上下端45mmのマージンを不要とした。また、ダブルエンコーダーにより、後端印刷時の使用ノズル数が増えたため、フチナシ印刷のスピードアップを実現している。

本体サイズはW660×D354×H192mm、重量は約14.4kg。対応OSはWindows 2000/XP/Vista、Mac OS X 10.3.9以降。インタフェースはUSB 2.0。印刷スピードは、A4写真(カラー)が約47秒/枚、A3ノビ写真(カラー)が約1分23秒/枚、A3ノビ写真(モノクロ)が約9分30秒、L判写真(カラー)が約21秒/枚。