――EX-Z400ではどんなものが作れるのでしょうか?

今村「ダイナミックフォトでは、たとえば自分では行くことのできない場所、あり得ない状況に身を置くことができます。自分の創意工夫によって夢のある世界、驚きの世界が作り出せます。通常、画像の合成にはパソコンでの長時間の作業を要しますが、これなら一瞬にして切り抜けます。たとえばネットオークション用の画像として使用するときに、写りこんでしまう余計な背景から製品のみを切り抜いたり、ブログのバナーなどに合成した画像を使用することもできます。またイラストを切り抜いて動かすこともできますし、反対にイラストに動く子供の画像を合成することもできます。

また静止画と静止画の合成もできます。この場合、画像は何枚でも背景に重ねて合成できます。イラストとして描いたセリフを切り抜いて合成するのも面白いと思います。また、背景に風景などがある場合でも、キャラクターのある画像とない画像を撮影してその差分で動く被写体を切り抜くのでキャラクターだけ切り抜けます。もちろん三脚を使って撮影した方が正確ですが、手持ちの場合でもキャラクターありで撮影した画像が半透明で表示されるので、それを見ながらしっかり位置合わせをすればキレイに切り抜けます。

白い画用紙に描いたイラストをカメラを振りながら撮影すると、"動くイラスト"が完成する。動く被写体を撮影した後に、その被写体なしの状態で背景を撮影すると、被写体だけが切り抜かれる

リアルな写真を合成して作るという用途もあると思いますが、今回のダイナミックフォトでは大きさが全く違うもの、例えばケーキの上に人が乗るであるとか、ありえないような危険な場所、例えば東京タワーのてっぺんに人が立つとか、時間軸が異なるもの、例えば昔の風景の中に今の自分が入るなど、想像力を働かせてみるのもいいのではないでしょうか」

――いろいろな創り方、楽しみ方がありそうですね。

今村「EX-Z400を発売してから日が経つにしたがって、お客様からフィードバックが寄せられています。特に肉親の様子を伝えるものとして創られた場合は特別なものになるようです。例えばダイナミックフォトでお孫さんが動く画像を携帯電話にメールで送り、祖父母の方が非常に喜ばれたというお話をいただいています。あるいは親御さんがお子さんと一緒にダイナミックフォト機能を使って、お子さんの反応を見て楽しんだりするところに喜びがあるようです。ダイナミックフォトを使うことにより、コミュニケーションする喜び、楽しみがあるのでしょう。

合成する"動く画像"の解像度はVGAなので、貼り付ける背景の1/4のサイズとなる。サイズは現段階では、拡大縮小できない

シャッターを押すだけで簡単にできるからこそ、ちょっとした喜び、創意工夫する楽しさを味わえるのだと思います。もちろん友達とのコミュニケーションにも利用できます。

コミュニケーションツールとして使っていただくために、ダイナミックフォトのオンラインデータ変換サービス「Dynamic Studio」を開設しています。ここではダイナミックフォトをアップロードして動画ファイルに変換して、ダウンロードすることができます。PCはもちろん、携帯電話などでもダウンロードして見ることができますし、家族や友人にメールに添付して送ることもできます。

「Dynamic Studio」では無料で動画に変換でき、QRコードを使ってデータを配布することもできる

アップロードすると任意の動画に変換してくれます。フォーマットは3GPPや3GPP2のほか、FLVやMOV、MPEG-1、MPEG-4、アニメーションGIFに対応しています。PCはもちろん、フォトフレームやケータイ、インターネットなどにも使っていただけるのではと思っています。

カメラだけですと撮って終わりですが、サイトを有効活用していただくことで周りの方とのコミュニケーションに利用できます。たとえば誕生日にただ画像付きのメールを送るのではなく、ちょっと動きのあるものを創って送るとか、そういうシーンでご利用いただけたらと思います」

――飲み会の写真などで面白いものが作れそうですね。

今村「アイデア次第でさまざまなものが考えられます。カシオではダイナミックフォトを使ったいろいろな楽しみ方、使い方を紹介していますが、それ以外にも切り抜いて使う用途がたくさんあるのではないかと思っています。それらを今後探っていこうと考えています」

――本日はありがとうございました。