「FMV-DESKPOWER F」は、本体を液晶モニターと一体化した薄型の「ボードPC」。液晶テレビのような外観で、一見するとパソコンとは思えないほどだ。今回は、19型ワイド液晶を搭載する「C70D」を試用した。直販価格で180,000円弱と比較的手ごろな価格ながら、地デジチューナーを内蔵する上位モデルだ。

主な仕様  [CPU] Intel Core 2 Duo P8400(2.26GHz)  [チップセット] Mobile Intel GM45 Express  [メモリ] 2GB  [HDD] 500GB  [ディスプレイ] 19型ワイド(1,440×900ドット)  [サイズ/重量] 約W465×D211×H391/約11kgg  [OS] Windows Vista Home Premium  [直販価格] 179,800円

画面角度を変えやすい大画面液晶

今回試用した「C70D」は、19型ワイド液晶を搭載するコンパクトな一体型デスクトップだ。どんな部屋のインテリアにもよくなじむ真っ白なボディーに加えて、本体前面に端子類の一切ないスッキリした外観は、女性層も強く意識している。

電源やディスクの取り出しボタンはタッチセンサー方式。白色LEDが光ることでボタンの位置をわかりやすく示す

ディスプレイ下部のタッチセンサー方式のボタンは、指先で触れるだけで操作可能。電源のオン/オフや輝度の調整、光学ドライブのイジェクトができる。また、ボタンがぼんやり白く光るのも外観上の特徴のひとつだ。

スタンド部分が可動式になっており、軽く押すだけで左右に80度回転する。また、前後15度のチルトにも対応。さらに、背面のネジを外すことで本体の高さを391mmと411mmの2段階に調節できる。リビングの低いテーブルから書斎の高めの机まで、使いやすい角度で設置できる。

スタンドの直径は約211mm。奥行きはスタンド部分が最大なので設置スペースが少なく、キッチンや寝室などでも使用できる

背面のカバーを取りスタンドを固定するネジをはずすと、本体の高さを調節できる

スリムな外観を実現するために、CPUやチップセットなどの主要パーツはノートパソコン用だ。そう聞くとパフォーマンスがやや心配になるかもしれないが、実際に使ってみて遅く感じることはほとんどなかった。Windows Vistaの動作も快適だった。

液晶は19型ワイドを採用する。上位機種のLXシリーズに比べると、やや輝度などが劣るものの、このクラスとしては十分以上の画質。これは、コントラストと彩度を自動的に調整する「画質設定ユーティリティ」のおかげだろう。テレビ放送を見ても不満を感じることはなかった

液晶は、スーパーファインVXタイプの19型ワイド。解像度は1,440×900ドットと、一般的なノートパソコンより高解像度で広いデスクトップを確保している。

右側面に搭載したDVDスーパーマルチドライブはスロットインタイプとなっている。デザインにこだわったモデルなだけに、外観を重視しての選択だろう。ドライブの下にはUSB端子を1基配置している。USBメモリやデジカメの接続など、ひんぱんに使う機器をつなぐのに適している。ただし、利用するには側面をのぞき込む必要があり、タワー型デスクトップのフロントアクセスよりは使いづらい。こちらも、見た目重視といったところか。

左側面には、SDメモリーカードとメモリースティックに対応するメモリーカードスロット、ヘッドホン端子やマイク端子、さらに2基のUSB端子を搭載。一般的には左側面の端子を中心に使うことになる。

スロットインタイプのドライブで見た目がすっきりしている。右側面にあるので右利きの人はディスクの出し入れが簡単だ

左側面にはメモリーカードスロット、ヘッドホン端子、マイク端子、USB端子×2が並ぶ。下位モデルと違って、端子カバーは省略されている

背面には、電源端子やLAN端子、地上デジタルアンテナ端子などのほか、2基のUSB端子を備える。無線LANも搭載するので、LANケーブルがなくてもネットに接続できるのはうれしい。

キーボードとマウスは共に、本体同様の真っ白な外観で見た目も美しい。さらにワイヤレスタイプなので、本体をテレビのように離れた位置に設置したとき、ソファーに座ってのんびり操作できるので便利だ。ただし、デスクトップとしてはテンキーが密着しているなど多少コンパクトタイプなので、長文を入力するのには物足りなく感じるユーザーもいるかもしれない。このあたりは店頭でさわってみるのが一番だ。

キーボードはスマートな小型タイプ。テンキーが付いているので、表計算ソフトも使いやすい

「Home」「End」「ScrLK」など、一部のキーは「Fn」キーをと組み合わせて操作する