ゲームにTVアニメ、小説にフィギュアと、幅広い展開をみせるTYPE-MOONの「Fate」シリーズ。先日もカプコンよりプレイステーション 2向け対戦格闘『Fate/unlimited codes』がリリースされたことは記憶に新しい。「Fate」ファンならもちろんプレイ済みといきたいところだが、「格闘ゲームはちょっと手が出しづらい……」という人も少なくないだろう。そんな人にオススメなのが、同じカプコンからリリースされている『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』。『Fate/unlimited codes』と同様、『Fate/stay night』などの「Fate」作品をベースとしつつも、大きくコミカライズされたプレイステーション・ポータブル向けのアクションゲームである。

『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』は、2007年にリリースされた、『フェイト/タイガーころしあむ』の続編。基本的なシステムや世界観は踏襲しつつも、さらなる追加要素によってパワーアップが図られている。前作以上のカオスで破天荒なストーリーが、怒涛の展開をみせる本作では、「Fate」ワールドを知っていれば知っているだけ、思わず引き込まれてしまう亜空間が待ち受けているのだ。基本的には笑いの方向で……。

■『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』プロローグ
その夜、街に流星が降その夜、街に流星が降った。
音速を超えて冬木市南深山町(藤村雷画さん宅)に直撃する謎の物体。
人的被害は奇跡的にゼロではあるものの、町はオレンジ色の、夜なお明るい炎のトーチに照らされた。一瞬で焼け野原と化した藤村組。一夜にしてホームレスと化したお天気教師。そしてクレーターからひょっこり現れる、奇怪なシルエットをした謎のネコガタ生物。
「我々ハインベーダーダヨ」
バーチャルシンガーっぽい声で喋る魅惑のセクシーキャット。虎聖杯という奇蹟を無くした無情の大地に、最強の敵が降臨する。更なる混乱に頭を抱えるメインキャラたち。新たな混乱に今度こそはと浮き足立つサブキャラたち。そして誰もが思った。
「もう虎聖杯関係なくない?」
タイガーサーガ七百六部中、もっとも苛烈で美しいとされる"アッパー篇"ここに登場!

前作『フェイト/タイガーころしあむ』は、冬木市に降って沸いたように登場した"虎聖杯"が重要な鍵を(一応)握っていた。しかし本作では、上に紹介したプロローグを読んでもわかるとおり、「もう虎聖杯関係なくない?」といった感じで、まったく新たな展開が繰り広げられる。前作では主役級の活躍だった「藤村大河」も、本作では(いろんな事情はあるものの)あまり目立たない存在になる。もちろん、まったく登場しないわけではなく、出たら出たで、いろいろとひっかき回すわけだが……。

出てきたら出てきたで、いろいろと目立つ藤村大河。とりあえずボケたおしです

基本的に『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』は「Fate」シリーズをベースとしているわけだが、「Fate」に限らず、TYPE-MOONのさまざまな作品に登場するキャラクターが参戦している。しかも「Fate」シリーズ以外の作品のキャラクターであっても、決して脇役扱いではない。本作で最初に鍵を握るのが「ネコアルク」というあたりが、かなりカオスな感じである。そのほかの追加キャラクターはというと、"アヴェンジャー"、"衛宮切嗣"、"アイリスフィール・フォン・アインツベルン(アイリ)"、"カレイドルビー"などなど。さらにFate(TYPE-MOON)キャラをベースにしたオリジナルキャラが登場するなど、もはやなんでもアリの状態となっている。

『フェイト/タイガーころしあむ アッパー』のストーリーを引っ張る、魅惑のセクシーキャット「ネコアルク」

衛宮切嗣(上)とアイリ(下)も夫婦で頑張っています

注目の魔法少女たち。左がカレイドルビーで右がファンタズムーンだが、彼女たちがどのようにストーリーに絡むかはプレイしてのお楽しみ

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