12月20日、クラブ・イクスピアリにおいて「OCEANUS presents 夜ジャズ experience vol.7」が開催された。同イベントはクラブミュージックを通して、1950~60年の黄金期のジャズに新しい価値を加え、現在のフロアによみがえらせることを目的としたもの。同イベントのプロデューサー、DJ須永辰緒氏は同イベントを開くにあたり、そのイメージがOCEANUSに近いことからカシオに話を持ちかけコラボレーションが実現したという。須永辰緒氏にOCEANUSの魅力と夜ジャズのコラボレーションの経緯についてうかがい、さらに夜ジャズ experience vol.7の熱気あふれるステージの模様をレポートする。

DJ須永辰緒氏

須永辰緒の夜ジャズとは

--須永辰緒の夜ジャズというイベントを始められたきっかけについて教えてください

須永:僕はジャズを中心にプレイしているのですが、そもそも1950年代60年代の黄金期、ハードバップやモダンジャズは今で言うダンスミュージックでした。人々は音楽に熱狂し、フロアで踊っていました。それをなんとか記録に残せないかと思っていたところ、2、3のレコード会社から「コンピレーションを作りませんか」というお話をいただきました。じゃあ1950~60年黄金期のジャズに新しい価値を加え、現在のフロアによみがえらせるコンピレーションをつくろう。深夜にダンスフロアがジャズで湧いているから「夜ジャズ」だ、ということで「須永辰緒の夜ジャズ」という名前で8枚のコンピレーションCDがリリースされました。そしてアナログの「夜ジャズ:アナログ復刻5+1」というのも出しています。これを分かりやすくして、ジャズの楽しさをみんなに生で見てもらおうというのがこのイベントです。

--踊れる音楽ということから入って、50年代~60年代のジャズにフォーカスを当てたのですか?

須永:必ずしもそうではありません。もともといろいろなジャンルをプレイしていたのですが、ジャズをプレイしていくうちにジャズの楽しさが分かってきて、自然とジャズに特化するようになってきました。ところがジャズは、そんなに多くの人が踊れる音楽ではありません。もっと他に踊りやすい音楽はいっぱいあるわけですから。そんな中「ジャズで踊るって楽しいね」と思ってくれるお客さんに向けてプレイしていくうちに、お客さんに鍛えられ、最近は選曲も洗練されてますます「夜」をイメージしたものになってきました(笑)

--50年代~60年代のジャズというと大人っぽいイメージを持ちますが

須永:そうですね、僕自身は汗臭さ、男っぽいイメージを持っています。ジャズで踊ろうとする人は、クラブを中心にそれなりの音楽経験がある人たちで、フロアにはある意味精鋭が集まっているような気がしています。年齢は幅広いですがみなさん感度の高く、全体に男性が多くなっているように思います。「粋な男たち」といったところですね。

叙情的な音と緊張感のある音の交差がスリリングで新鮮だった「TRY4TH」

しっとりとした曲とビートの効いた曲、いずれも熱演だった「アキコ・グレース・トリオ」

OCEANUSと夜ジャズをつなぐもの

--今回オシアナスとコラボした理由は何ですか

須永:50年代~60年代の黄金期のジャズを懐かしんでプレイしているだけではどうにもなりません。それを新しいものとして再構築して、新しいダンスミュージックとして披露する。つまりジャズは古い音楽なんですが、最新のダンスミュージックとして提示して、「ジャズで踊るって新しい」と見せることです。50年代~60年代のジャズと2008年、2009年型のリスニングで浮上してくるジャズとをつないで、曲単位というよりはそのジャズの流れをダンスミュージックとして聞いていただこうというコンセプトです。これをお客さんと切磋琢磨しながら、いま新しいシーンを作っていこうとしています。

オシアナスには、こうした取組みに通じるものがあると思っています。オシアナスは端麗なフォルムを持っているいわゆる「男前」な時計ですが、実はあり得ないような精度を持ち、最先端の技術が全部詰まったとんでもないものなんです。ただ外側からそういう部分を見せないダンディズムがあります。そういうところが「夜ジャズ」に合致していると思っています。オシアナスを見たとき「これはヤバい!」と思いました(笑)「やり過ぎない」とか「見せ過ぎない」とか、「過ぎない」とよく言うのですが、オシアナスの「過ぎない」感じが好きですね。もちろん時計はルックスが良くなければ話にならないですが、最先端な技術が詰まっているところに魅かれますね。羊の皮をかぶった狼です。

--今日のイベントの観所、聴きどころを教えてください

須永 自分がプレイするダンスフロアのジャズとは違い、ライブありレコードコンサートありなど、さまざまなアプローチをします。レコードジャケットを投影しながらうんちくを語るといった、60年代~70年代ジャズ喫茶の雰囲気を彷彿とさせるレコードコンサートや、「夜ジャズ」イズムを感じるバンドの演奏がジャズを楽しんでもらうキッカケになってもらえればと思います。リアルなジャズファンの皆様には、これをキッカケにダンスミュージックに寄っていただき、ダンスミュージックの人たちにもジャズの楽しさを知ってもらえればうれしいですね。

--ありがとうございました。

ジャズ喫茶を彷彿とさせるレコードコンサート。今回は一風変わった女性ジャズ・ボーカルのレコードを披露

しなやかで力強い万波麻希氏ボーカルが印象的だったMAKI MANNAMI QUINTET plus

夜ジャズから垣間見える新しいサウンド

この夜、クラブ・イクスピアリに集まったのは30~40代を中心とした幅広い層。上は50~60代から下は20代前半までさまざまだ。クリスマス前の土曜ということもあり、そのほとんどがカップル。女性同士で来場している方もいて、女性の来場者が半数を占めるジャズ会場として華やかな雰囲気だった。

最後は元大相撲・敷島親方のDJプレイで観客を見送った

プログラムは3バンドのライブ演奏と、須永氏とゲストの小西康陽氏とのレコードコンサートが軸となって、その合間をDJプレイでつなぐという観客を飽きさせないスタイル。最初のバンド、TRY4THの演奏がはじまる頃にはテーブル席はすべて埋まり、立ち見も出ていた。2番目に登場したアキコ・グレース・トリオの演奏が熱気を帯びてくると、ビートに合わせてリズムを取る人、後ろの立ち見ではカラダを揺らし踊る姿が数多く見られた。まさにこれがジャズといわんばかりの雰囲気にあふれていた。

いずれのバンドもクラシック音楽を背景にしている演奏者が多いとのこと。そのせいかエネルギッシュであると同時に演奏技術の非常に高く、高度な演奏をビートに乗りながらサラッとやってのける。しかも音そのものが新鮮で、決して洗練され過ぎない刺激とコンテンポラリーさがある。須永氏のいう「オシアナスに通じるもの」とはこのことだったのか、と感心させられた夜ジャズのイベントだった。なお、次回の夜ジャズの日程は3月20日。

Elegance,Technologyキャンペーン実施中

OCEANUS購入者から抽選で10組20名を「須永辰緒の夜ジャズ」にご招待。
次回の開催は2009年3月20日。会場はClub IKSPIARI(舞浜・イクスピアリ内)。応募期間は2009年1月13日(火)24時まで。対象商品はOCEANUS全商品。応募資格はキャンペーン期間中に、対象商品を購入した方。
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