デスクトップ、ノートともに豊富なラインアップを展開している富士通から、TVチューナー内蔵ノートのフラグシップモデル「FMV-BIBLO NW/C90D」が発売された。冷却機構に水冷を採用し、タッチ操作可能なサブディスプレイを搭載するなど、今までにないユニークな機能を数多く備えている。ここでは、その特徴と魅力を紹介していこう。

主な仕様 [製品名] FMV-BIBLO NW/C90D   [CPU] Core 2 Duo P8600(2.4GHz)   [チップセット] Mobile Intel GM45 Express   [メモリ] 2GB   [HDD] 320GB   [光学ドライブ] Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応)   [グラフィックス] Intel GMA 4500MHD(チップセット内蔵)   [ディスプレイ] 16型ワイド(1366×768ドット)、4型ワイド(480×272ドット)   [サイズ/重量] 約W385×D276.5×H36.9~49.4mm/約3.4kg   [OS] Windows Vista Home Premium   [直販価格] 249,800円  

革新的なテクノロジーを満載

ここ最近、携帯電話からオーディオプレイヤーまで、タッチパネルを使った直感的な操作がブームのように広がっている。PCの場合はタブレットPCやタッチパッドのジェスチャー操作などがこれに近いが、少し方向性が異なる。しかし、いずれはPCにもこうした機能が取り入れられるだろう……。そう思っていたところ、予想以上に早くそれが実現してしまった。

富士通が新しく発売した「FMV-BIBLO NW/C90D」は、タッチ操作可能な新デバイス「タッチスクエア」をキーボード上部に搭載しているのが特徴。タッチスクエアには、ランチャーやメディアコントロールパネルを表示させられるだけでなく、テレビ/DVDの映像やデジカメ画像などを直接表示することも可能。ノートPCにおけるコントロールデバイスの新しい方向性を提示した非常にユニークな機能になっている。

もうひとつ、大きな特徴として水冷システムの採用も上げられる。CPUなどの主要パーツをより効率的に冷却できるため、PC駆動時のノイズが大幅に低減。動作周波数2.4GHzのCore 2 Duo P8600や地上/BS/110度CSデジタルの3波デジタルTVチューナなどを内蔵しながら、テレビ視聴時で約25dB(ISO7779準拠)という静音性を実現している。これは、ささやき声より小さいレベル。そのため、映画やクラシック音楽のように、静かな視聴環境が要求される番組も、より快適に楽しむことが可能だ。

この他、Blu-ray Discドライブも搭載しており、本体のHDDに録画した番組をムーブしたりダビングしたりできる。また、HDMI出力端子を装備しており、ケーブル1本でリビングの薄型テレビと連携可能。AVノートのフラグシップモデルにふさわしい充実ぶりである。

16型ワイドという大型ディスプレイを搭載しているため、本体サイズも大きめだ

直感的なタッチ操作が可能な「タッチスクエア」

キーボード上部に搭載されている、サブディスプレイのようなデバイスは、「タッチスクエア」と呼ばれており、480×272ドットの4型ワイドタッチパネルを採用している。画面は小さいながら、通常のマルチディスプレイ環境の場合とほぼ同じ扱いで、メインディスプレイからカーソルを移動させればサブディスプレイ上にシームレスに表示される。

キーボードの上部に4型ワイドのサブディスプレイを搭載している

このタッチスクエアは、ランチャーとして使える「スタートモード」、テレビやDVDなどのコントロールができる「ミニリモコンモード」、テレビやDVDの映像を表示する「コンパクトテレビモード」および「コンパクトDVDモード」、画像を表示させデジタルフォトフレームとして利用できる「フォトビューアーモード」などの5種類の表示モードを切り替えて使用できる。いずれも、タッチスクエアを直接タッチしての操作が可能だ。

個人的に便利だと思ったのは、スタートモードとミニリモコンモード。とくに、ミニリモコンモードは、DVD視聴中にメインディスプレイに操作パネルを表示させなくてすむのがうれしい。コンパクトテレビ/DVDモードは、正直おまけ的な機能という印象だが、メインディスプレイでWebブラウズしながらテレビ番組を”ながら見”するには便利そうだ。

ランチャーとして使える「スタートモード」の画面。アイコンをタッチするだけでソフトを起動できる

「ミニリモコンモード」の画面。表示されているボタンを押すことで、直感的にテレビやDVDの操作が可能