米国の非営利組織Electronic Frontier Foundation (EFF)が米国Copyright Officeに、リミックス目的のDVDリッピング、携帯電話のアンロックや"jailbreak"などのDMCA (Digital Millennium Copyright Act)適用免除を求める請願書を提出した。
DMCAは2000年10月に施行された米国の著作権法である。著作権保護の技術や仕組みを回避したり無力化するような行為の公開を禁じる規定が含まれるなど、全体的に著作権保有者を手厚く保護する内容になっている。そのためユーザーのフェアユース、セキュリティ研究、教育目的のコンテンツ利用などの妨げになるという批判の声が上がっていた。そこで一部のケースについては3年間の期限付きでDMCAの適用を免除する規定が盛り込まれるようになり、来年の11月に新たな更新を迎える。それに向けて現在Copyright Officeが請願書を受け付けている。
今回EFFが新たに免除を求めているのは以下の3つのケースだ。
非商用・フェアユースの範囲内でDVDからリッピングした素材をリミックスに使うビデオクリエイター
通信キャリアを自ら選択するために携帯電話をアンロックする携帯電話所有者
アプリケーションを自由に選択・使用するために携帯電話を"jailbreak"する携帯電話所有者
DVDリッピングはアマチュアクリエイターの表現の自由を守るのが狙い。アンロックとjailbreakは、携帯電話利用においてユーザーの選択の自由を確保するのが目的だ。
EFFのほかにもCopyright Officeには20近い請願が提出されている。たとえばハーバード大学のThe Cyberlaw Clinicはデジタル配信されている音楽、ビデオ、ソフトウエア、ゲームなどのDRM回避を求めている。理由として、コンテンツを提供しているオンラインサービスが運営を停止した際に、ユーザーが所有しているコンテンツを利用できなくなる可能性を挙げている。2005年にSony BGMの音楽CDの著作権保護技術問題を指摘した1人であるJ. Alex Halderman氏は、セキュリティ研究者によるDRM回避を求めている。これはSafeDiscやSecuROMなどのDRM手法がセキュリティ上の問題につながる可能性を追求するのを目的としている。
これらの請願は近日中にCopyright OfficeのWebサイトで公開され、幅広いコメントを集めた上で、来年春からの聴聞会を経て来年10月に最終的な判断が下される。