トークセッションでは、開発陣のコダワリが感じられた

スクウェア・エニックスは11月22日、RPG「FINAL FANTASY XI」のファン感謝祭「ヴァナ★フェス2008 in 後楽園」を開催した。MMORPGの先駆けである「FINAL FANTASY XI」に関する年1回のイベントということもあり、2000名以上のFINAL FANTASY XIユーザーが参加した。

まずは、第一部のトークセッション。プロデューサーの田中弘道氏、ディレクター 小川公一氏、バトルディレクター 松井聡彦氏、プランナーの藤戸洋司氏と権代光俊氏、グローバル オンライン プロデューサー Sage Sundi氏が参加。次回のバージョンアップで予定している新しいアイテムやキャラクターなどの概要を紹介したほか(詳細はバージョンアップ時に公開)、ユーザーがダンジョンを作成できる「メイズモンガー」を導入することを明らかにした。

「メイズモンガー」では、まず登場キャラクターのモブリンから基本セットをもらい、モンスターの設定などを行って設計図を作る。設定とは、たとえばリザード系モンスターが現れやすくなる、といったものだ。このようにして作った設計図は、回数制限があるものの人にあげられるようにするという。

このほか、RMTなどの不正行為への対策も紹介。2007年のヴァナフェス以降(2007年11月~2008年10月)の凍結ギル総額は約334億ギル(前年比-791億ギル)、強制退会アカウント数は約82,000アカウント(前年比約+11,000アカウント)となっている。そのほかの対策として新ツール「いもづる君」を導入し、ゲーム内の「釣り」関連の取締りを強化。さらに自動Jail機能を導入予定と、イタチゴッコにはなってしまっているものの、着実に対策が進んでいるとした。

続いて、参加者によるゲームバトルを開催。ステージ上に日本HP製のFINAL FANTASY XI推奨認定モデル「HP Pavilion Desktop PC m9380jp」が12台登場した。参加者24人が4チームに分けられバトルを実施。クエストは大量に発生したモンスターを駆除するというものだ。プレイヤー側はミシックウェポンを装備していたので破壊力はあったものの、圧倒的な数を誇るモンスターや、触れるだけで爆発するボムなどに苦労しまくりという展開に。会場に集まったユーザーはその戦況に釘付けで、プレイヤーキャラの動向に一喜一憂していた。

「HP Pavilion Desktop PC m9380jp」は、CPUにIntel Core 2 Quad、グラフィックス機能にNVIDIA GeForce 9800 GTを装備するデスクトップPC。ハイパフォーマンスでありながら、最小構成で138,390円という低価格を実現したモデルとなっている。会場では、ゲームバトルに使用されたほか、会場入り口に設置されたショップ横にも展示されていた。

各チーム6人構成。4チームを2回に分けてバトル。マシンは日本HPのFINAL FANTASY XI推奨認定モデル「HP Pavilion Desktop PC m9380jp」

入り口近くに設置されたショップ横に「HP Pavilion Desktop PC m9380jp」を展示。FINAL FANTASY XIグッズを買い求めるユーザーも注目していた

注目の新シナリオ発表

その後、トークセッションの第2回目を実施。ここでは次回バージョンアップで予定されている新しいシステムや新装備を紹介したほか、待望の追加シナリオを発表。現在、「石の見る夢 ~ヴァナ・ディール最終頌 魂の返歌」「戦慄! モグ祭りの夜 ~ヴァナ・ディール史上最小の作戦」「シャントット帝国の陰謀 ~ヴァナ・ディール史上最凶の作戦」の3本を作成中とのこと。シナリオライターはFINAL FANTASY XI立ち上げからジラートの幻影まで参加していた加藤正人氏(元スクウェア・エニックス 現フリー)が担当。1本目となる「石の見る夢」を来年春頃に発売し、以後数カ月ごとに一作づつを投入していく予定だ。従来の拡張版とは違い、既存のマップを利用しつつ新たな物語を描くことになるという。オンライン販売のみで、1本1,000円前後を目指している。

そして、チョコボレース、ライブと続き、盛り上がったイベントとなった。

登場して会場を沸かせた、追加シナリオを担当する加藤正人氏(写真左)

盛り上がりを見せたチョコボレース

プロデューサーインタビュー

質問に答えてくれたプロデューサの田中弘道氏

プロデューサーの田中弘道氏によると、現在、FINAL FANTASY XIはXbox 360、PlayStation 2、Windowsというプラットフォームに向けた3つのバージョンが用意されているが、全世界50万ユーザーの中ではWindows版ユーザーが圧倒的に多いとのこと。そのWindows版は、7年前のスタート当時に、そこから5年後に標準的なスペックになるマシンをターゲットにゲームを作成したという。そのため、スタート時としてはかなりハイスペックなPCが必要だったが、現在では一般的なPCでも十分遊べるようになってきた。

サーバーなどはコンシューマーマシンと同じものを使用しているが、Windows版のグラフィックデータはPlayStation 2版よりも高解像度でスムーズに表示できるようになっているそうである。ゲームユーザーは社会人が多く、インターネットをよく利用するユーザー層と重なる。初心者でも遊びやすいよう工夫していくとのことで、コアユーザーだけでなく、昔参加していたユーザー、新たなユーザーともプレイしやすいゲームにしていくとした。あわせて、そうしたプレイヤーたちへ向けたキャンペーンも実施し、さらなるユーザーの拡大を目指している。