--Microsoft Windowsのサポートは?

今後も、Linux、Windows(Windows CE含む)、Mac OSに対応します。

--Qtを利用した事例は?

たとえば、我々のインターネットブランド「Ovi」があります。Oviは、主としてデスクトップアプリケーションであり、携帯電話からもアクセスできるというイメージです。

--Qtの今後の開発の方向性は?

クロスプラットフォーム環境でメリットをもたらす機能を拡充していきます。

具体的には2つあります。1つ目はモバイル特有のものです。モバイルには、デスクトップアプリケーション開発にはないような接続などの特有の複雑性がありますが、これをプラットフォームで対応していくことです。2つ目は、グラフィック機能の強化です。端末は高度化しています。端末の機能を最大限に活用できるユーザーインタフェースを、さらに容易に、高速に開発できるようにしていきます。

Nokiaの狙いは、できるだけ多くの企業に「Qt」を使ってもらうことです。これにより、技術の質が改善し、開発スピードが改善し、フィードバックを得られます。

--Nokiaは英Symbianを買収し、Symbian Foundationを立ち上げてオープンソースとして提供する計画を発表します。QtはSymbian Foundationとどのようにかかわってくるのでしょうか?

これについては、現在正式には何も発表してません。もちろん、Symbian Foundationとどのように協業できるのかを議論しているところですが、現時点ではコメントできません。

--収益モデルはどうなりますか?

2つあります。1つ目は、Trolltechの既存のデュアルライセンスモデルを継続することです。

2つ目は、Nokiaの製品を改善し、タイムリーに市場に投入し、容易に使えるようにすることでバリューを生むことです。より大きなチャンスといえます。

--クラウドコンピューティングがトレンドですが、Qtで何かイニシアティブはありますか?

QtはC++で開発できる上、レンダリングエンジン「WebKit」を統合しています。つまり、Qtアプリケーションを構築すると、WebKitの機能を利用できます。これにより、バックエンドと容易に接続してWeb技術を利用できるようになります。インタラクティブなアプリケーションの拡張性を強化できます。

10月14日にドイツ・ミュンヘンで開催する「Qt Developer Days」にて、詳細をお話する計画です。