シーメンスPLMソフトウェアは10月22日、記者会見を開催し、2009会計年度(2008年10月~2009年9月)における日本法人の取り組みに関する説明を行ったほか、2008年6月より提供を開始したCAD/CAM/CAE統合製品「NX 6」に関する説明を行った。

Siemens PLM Software アジア太平洋地域マーケティング・ディレクター Dieter Klinke氏

Siemens PLM Softwareのアジア太平洋地域マーケティング・ディレクターであるDieter Klinke氏は、「すべての開発をデジタルで行うには3Dモデリングが最適」であるとしたほか、「開発をバーチャルで行うことでプロセスコストを低減させつつ、開発速度を向上させることができるようになる」とし、「そのためには、プロセス全体が専門家以外でも使えるようにデータの共有化が可能なNX 6は最適」とNX 6について語る。

また、カスタマがどのようなところに注力しているかを調査した結果、大半が"Digital Mock Up"や"Standard Parts"といった現状のプラクティスと、"Konoeledge Reuse"や"Configuration Management"といったベストプラクティスに止まっているのが実情であるとし、次の段階にいくためには"Design for Six Sigma"などを導入するNextの分野を使えるようにする必要があるとした。

シーメンスPLMソフトウェアが想定するプラクティスの階層構造と、そこに含まれる各種技術

そのためには、今後2~3年間で、"Design Freedom""PLM Integration""Workflow Productivity""Knowledge Reuse""Performance,Simulation & Validation"の5つの分野に投資を行っていくという。

CAD/CAE/CAMソリューションの今後に向けた製品開発を進める

シーメンスPLMソフトウェア 代表取締役社長の三澤一文氏

また、日本法人の2009会計年度の取り組みについて、シーメンスPLMソフトウェアの代表取締役社長である三澤一文氏は、「ワールドワイドと連携してエコシステムを日本に提供していく」とし、複数の施策を行っていくとした。

具体的には、"ソリューション・セールスの強化""専門技術サービス提供の拡充""エコシステム(ビジネス・アライアンス)の拡大""パートナー教育の充実"の4つが主な施策となる。

シーメンスPLMソフトウェア日本法人の2009会計年度における新たな取り組み

ソリューション・セールスの強化は、ベストプラクティスやNextのプラクティスをカスタマに使用してもらうために、ツール単位ではなくソリューションとして使ってもらうための施策であり、そのための重要な要素が"デジタルマニュファクチャリング"であるという。

専門技術サービス提供の拡充については、技術面の拡充で、高度なサービスを専門的な技術者を介して提供するというもの。

エコシステムの拡大は、従来の代理店営業に加え、ソリューションサービスの提供として、システムインテグレータやコンサルティングを加えるほか、ハードウェアメーカーなどとも組んでプラットフォームとしての提供を強化するというもの。

最後のパートナー教育の充実については、日本において従来、社内のエンジニアに対して行っていた同社製品の技術認定プログラム「Global Certification Program」を販売代理店やユーザーなどにまで拡張するというもの。

Global Certification Programは、同社が同社製品の技術認定テストを行い、合格者に対し、当該製品の使用方法と実装に対して認定を与えるというもの。同社の主要4製品ライン「NX」「Teamcenter」「Teamcenter Express」「Solid Edge」向けが用意されている。

プログラムの提供は本日より開始されており、申し込みはオンラインにて行うことが可能。認定試験は同社のトレーニングセンターで行われる予定だが、地方応募などが多数あるような場合は、状況次第では試験場を増やすこともあり得るという。なお、受験費用は5万2,500円となっている。