京都府警ハイテク犯罪対策室と城陽署は18日、今月20日劇場公開予定の映画「ウォンテッド」に日本語字幕を付けた映像を、ファイル共有ソフト「Winny」を介しネット上に流出させたとして、宮城県仙台市の33歳の職業不詳男を著作権法違反の疑いで逮捕した。日本国際映画著作権協会によると、男はネット上で「字幕神」などと呼ばれていたという。

同協会によると、公開前の映画をネット上に流出させた事件で摘発された事例は、日本では今回が初めて。

京都府警によると、男は今年7月上旬ごろ、ユニバーサル・シティ・スタジオズが著作権を有する映画「ウォンテッド」に字幕を付け、著作権者から許諾を受けないまま、自宅PCからWinnyを介しネット上に流出させた疑い。

流出を知った日本国際映画著作権協会のメンバー企業であるユニバーサル・シティ・スタジオズが府警に告訴、府警で捜査を進めていた。

同協会によると、男はネット上で「tikal」と名乗り、ネット上では"字幕神"などと呼ばれていたという。「封切り前、封切り後を含め、協会のメンバー会社の映画27タイトルが字幕を付けて流出されていたと推測される」(同協会)と話している。

映像の入手先について同協会は、「すでに封切られている国のサイトで入手したのではないか」と話しており、男が劇場公開の時間差を利用して、同様の犯罪を繰り返していた可能性が高くなっている。

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