Cloverfield: The evolution of a Character~没入系怪獣アクション映画の舞台裏
ハリウッド大作映画の特殊効果を多数手がけてきている大手VFXカンパニーのTippett Studio。日本でも公開されて話題となったSF怪獣映画(?)「Cloverfield」のCGは、このTippettが担当した。
Cloverfieldでは、主役を務める一市民がビデオカメラを回したままニューヨーク市内をリアルタイムに逃げ回るという、いわばノーカットの一人称視点映画であり、継ぎ目のない連続撮りっぱなし映像にCGを合成していく高度な技術が業界の注目を集めた。
特殊効果に莫大な予算が割かれた作品かと思えば、意外にもそうではなく、限られた予算と厳しい締め切りの設定されたプロジェクトだったと、VFXスーパーバイザーのEric Leven氏らは振り返っている。
映像中では、10ブロックのマンハッタンの絨毯爆撃のシーンのメイキングを紹介。一見ノーカットに見えるこのシーンは実は複数のカットで撮られた実写映像をコンピュータで合成しながらつなぎ合わせ、さらに、ここにCGのモンスター達や爆撃によって引き起こされる爆炎、建物の崩壊などを合成している。
映像の一部はTippett Studioのサイトで見ることが出来る。
Knoll’s Computer Class: The BRDF~CGのお勉強をCGムービーを見ながらしちゃおう
実際にとってもわかりやすいし、自分でも本当にわかりやすく説明していると自負しているKnoll博士の「3Dグラフィックス講座」。
CGの概念を変にごまかさず、数式も覆い隠さず丁寧に説明するKnoll博士だが、生徒達は全くのおいてけぼり。それでもめげずにKnoll博士の「3Dグラフィックス講座」は続く。
出品された作品は「BRDF」(双方向反射率分布関数)をKnoll博士がわかりやすく解説するというエピソード。どこかで見たことのある自律歩行する電気スタンドをアシスタントに、拡散反射と鏡面反射、そしてより複雑な反射モデルをCGに導入するための方策としてBRDFが重要であることをKnoll博士は力説する。しかし、生徒は博士の熱弁をよそにポーカーを始めだす……。
筆者個人的には最も楽しめた作品。上映時にも会場が大爆笑に包まれた。
作者Matthias Parchettka氏のサイトには、Knoll博士の「レンダリング方程式」「局所的照明計算」などのエピソードのクリップが掲載されている。