米Yahoo!は7月21日(現地時間)、現在同社に対して委任状争奪戦(Proxy Fight)を仕掛けている投資家のCarl Icahn氏と和解で合意したと発表した。Icahn氏が委任状争奪戦を取り下げる条件として、Yahoo!は同社役員枠を現在の9人から11人に拡大し、Icahn氏と同氏が推す役員候補メンバーなどを受け入れる。Icahn氏は現行経営陣の支持へとまわり、同氏を含む11人の役員候補が8月1日の株主総会に臨む。

Yahoo!の現ボードメンバーは、Roy Bostock、Ronald Burkle、Eric Hippeau、Vyomesh Joshi、Arthur Kern、Robert Kotick、Mary Agnes Wilderotter、Gary Wilson、Jerry Yangの計9名。Kotick氏は2008年株主総会での再選投票には参加しない。ここに新たにIcahn氏が加わり、残る2席については以前Icahn氏が提出した役員候補名簿のメンバーの残る8人に前AOL会長兼CEOで現Velocity Interactive GroupのJonathan Miller氏を加えた9人から選ばれる。Yahoo!の発表によれば、現在Icahn氏は6878万6320の同社株を所有しており、これは同社普通株の4.98%にあたる。

今後の影響については未知数だが、Yahoo!が和解で合意したことで「8月に役員総入れ替え後、MicrosoftへのYahoo!本体の即売却」というシナリオはとりあえず回避される。だがいずれにしても時間稼ぎという状態には変わりなく、Icahn氏の役員就任で経営改善に対する圧力はより強まることが予想され、その過程でYahoo!売却の話が遠からず再燃することになるだろう。