被写体探しがマクロ撮影の第一歩

花畑に足を運んでも、状態の悪い花を撮影してしまったら意味がない。花マクロ撮影は、まず自分が美しいと感じる被写体を探すことからはじまる。一面の花畑や大輪の薔薇を目の前にすると、テンションが上がって「写真を撮りたい」欲求にかられるだろう。しかし、魅力的な被写体は何も薔薇ばかりではない。特別な場所に出かけなくても身の回りに存在しているはずだ。まずは自分の生活圏内を見渡して欲しい。公園の花や路地に咲く雑草など身近な場所に自然はいっぱいあるはず。梅雨明けはもうすぐ。この夏は花マクロ撮影に挑戦してみてはどうだろうか?

露出を+2EVまで上げて花の鮮やかさを表現。しかし露出を上げすぎて、花びらの質感を少々失ってしまった。露出補正のやりすぎにも注意
50mm F2.8 Macro / L+Fine(JPEG) / 50mm(75mm相当) / 絞り優先AE、補正+2EV(F3.5、1/200秒) / ISO160 / WB:オート / CS:ビビッド

手前に明るい被写体を置き、前ボケを作ることで主役である色の濃い花をひきたてる。前ボケと後ボケを入れることで、奥行き感が生まれる
APO MACRO 180mm F3.5 EX DG / L+Fine(JPEG) / 180mm(270mm相当) / 絞り優先AE、補正-0.7EV(F3.5、1/1000秒) / ISO100 / WB:オート / CS:スタンダード

花の先端を最短撮影距離まで近づいて撮影。50mmレンズでも被写体に近づき、被写体と背景との距離が離れていると大きなボケが得られる
50mm F2.8 Macro / L+Fine(JPEG) / 50mm(75mm相当) / 絞り優先AE、補正+0.7EV(F5、1/800秒) / ISO500 / WB:曇天 / CS:スタンダード

クローズアップ写真だけが花マクロ撮影ではない。絞りをF5.6まで絞り引いて撮影することで、主役のレンゲはシャープに表現し、周囲になるにつれボケが強くなる画面構成にした
100mm F2.8 Macro / L+Fine(JPEG) / 100mm(150mm相当) / 絞り優先AE、補正+0.7EV(F5.6、1/60秒) / ISO100 / WB:オート / CS:スタンダード

日陰に咲いている薔薇を選び、背景が暗くなるように表現した。周辺部が暗く引き締まっているので、中心部の蕊に視線が集まる
APO MACRO 180mm F3.5 EX DG / L+Fine(JPEG) / 180mm(270mm相当) / 絞り優先AE、補正+0.7EV(F3.5、1/4000秒) / ISO500 / WB:オート / CS:ビビッド

手前に別の花を入れて前ボケにしたが、ボケが大きくなると形は消えて色だけになる
APO MACRO 180mm F3.5 EX DG / L+Fine(JPEG) / 180mm(270mm相当) / 絞り優先AE、補正-0.7EV(F3.5、1/1000秒) / ISO100 / WB:オート / CS:スタンダード

道ばたの雑草を撮影。被写界深度が浅く、種子の綿毛がシャープに描写されている部分と大きなボケの対比が面白い
50mm F2.8 Macro / L+Fine(JPEG) / 50mm(75mm相当) / 絞り優先AE、補正なし(F2.8、1/125秒) / ISO500 / WB:曇天 / CS:スタンダード

陽に透ける葉の葉脈を撮影。シャープな描写がマクロレンズの特長
APO MACRO 180mm F3.5 EX DG / L+Fine(JPEG) / 180mm(270mm相当) / 絞り優先AE、補正-0.3EV(F3.5、1/1250秒) / ISO100 / WB:オート / CS:ビビッド

曇り空をバックに、花を逆光で撮影。背景に溶けそうな淡い色のグラデーションが綺麗に表現できた
50mm F2.8 Macro / L+Fine(JPEG) / 50mm(75mm相当) / 絞り優先AE、補正+1EV(F5、1/320秒) / ISO500 / WB:オート / CS:スタンダード

燃えるような真っ赤な薔薇を撮影。50mmマクロなので、開放値でも花びらのピントの合う範囲が広い
50mm F2.8 Macro / L+Fine(JPEG) / 50mm(75mm相当) / 絞り優先AE、補正+1EV(F2.8、1/320秒) / ISO100 / WB:オート / CS:スタンダード

被写体と背景が近くても、望遠マクロで寄って撮影すればきれいにボケる
APO MACRO 180mm F3.5 EX DG / L+Fine(JPEG) / 180mm(270mm相当) / 絞り優先AE、補正+0.3EV(F3.5、1/800秒) / ISO200 / WB:オート / CS:スタンダード

撮影・レポート:加藤真貴子 (WINDY Co.)