端子 主な装備はほぼ同等。配置の工夫で使い勝手に差がつく

入出力端子の装備は各社ともほぼ同等。ただし、端子の配置する位置などで使い勝手に差が現れた。三菱のMDT242WGはスタンドの右側にPC系の入力を下向きに、AV系の入力を横向きに配置している。スタンド部分には、ケーブルをまとめるための穴も設けられている。アイ・オー・データのLCD-MF241Xは、すべての端子を下向きに配置している。端子の間隔は十分なのだが、スタンドの裏に手を突っ込む必要があるため、接続は少々やっかいだ。最初の接続時だけとはいえ、改善に期待したいところだ。EIZOのHD2452Wも下向き配置だが、スタンドの左側にまとめられているので、接続に苦労することはない。スタンド部にはケーブルをまとめるためのガイドも備わっている。シャープは接続端子を背面に配置。接続自体はもっとも行いやすい。薄型サイズということで、端子が増えるとその配置にも苦労すると思われるが、このあたりの工夫で使い勝手はかなり差が付くと感じた。

MDT242WG:PC系は下向き、AV系は横向きに配置。後からAV機器を追加するような場合はもっとも使い勝手がいい

LCD-MF241X:スタンドの裏側にも端子が配置されるため、接続は少々苦労してしまうかも

HD2452W:下向き配置ながらも、スタンド部をよけて配置されている。ただし、端子同士の間隔はやや狭い

LC-22P1:背面に十分なスペースを確保して端子を配置。端子の名称もきちんと端子の近くに表示されている

設置性 設置スペースは互角。角度調整に差がついた

スタンド部分の奥行きはいずれも30cm未満で設置スペースはほぼ互角と言える。大きな違いはチルトやスイーベルといった角度調整機構。薄型テレビであるシャープのLC-22P1はチルトのみ。左右の角度はスタンドごと動かして向きを変えることになる。その他のモニタに比べると多少不利に感じるが、スタンド部分にキーボードを収納できるなど、他にはない工夫もある。アイ・オー・データのLCD-MF241Xは標準的で、チルトとスイーベルに加えて高さ調整も可能。奥行きも228mmでもっとも身近い。三菱のMDT242WGは、高さ調整はもたないが、モニタ側とスタンド側の2カ所に可動部があり、高さと画面調整を柔軟に調整できる。EIZOのHD2452Wも似たタイプで、角度調整と高さ調整が連動しており、円弧を描くように画面の位置を調整できる。どちらも、画面の高さを変えても目からの距離があまり変化しないため、より自然な画面の角度に調整できる。

MDT242WG:2カ所の可動部を持ち、高さと画面の角度を自由に調整できる。光沢仕上げの台座部分にスイーベル機構を持つ

LCD-MF241X:スタンダードな独立調整(高さ/チルト/スイーベル)を備え、奥行きも228mmと短くまとまっている

HD2452W:円弧状のレールを持ったチルト・高さ連動の調整機構を持つ。スイーベル機構は台座部分に備える

LC-22P1:調整はチルトのみ。奥行きも長めだが、キーボード収納ができるように工夫した形状など使い勝手は良好

総評 AV用途、PC用途どちらにおいても、優れた利便性を実感

 薄型テレビのシャープはもちろん、三菱、アイ・オー・データ、EIZOともに液晶モニタの人気ブランドであり、いずれも高い実力を備えていた。テレビ視聴が中心の使い方ならチューナー内蔵のシャープが使いやすく、PCモニタ主体で使うなら三菱の高解像度な映像は精密な映像の確認などで威力を発揮するだろう。両方をそつなくこなすならバランスのいいアイ・オー・データがおすすめだ。価格的にも他よりやや高価だが、それにふさわしい画質の実力を見せてくれたEIZOは、個人的にはもっとも好印象なモデル。スピーカーを内蔵しない点はマニアックで好き嫌いが分かれると思うが、ステレオスピーカーだけでなく、5.1chスピーカーとの組み合わせを考えているような人ならば、まったくデメリットにならないだろう。  最近はデスクトップPCも一体型スタイルが多く、画面サイズも20インチ前後になってきている。こんな状況の中で単体のモニタを選ぶなら、24インチ前後の大画面が欲しくなる。もちろん、画面サイズが大きく、フルHD解像度をカバーできる高解像度モデルなら、AVユースでも魅力は大きい。テレビとPCモニタの兼用だけでなく、地デジチューナー内蔵PCなどを使っている人にもお勧めしたいモデルだ。

カメラマン:高嶋一成