GFIソフトウェア 副会長 ポール・A.サラベリ氏

欧米、アジア・パシフィックの中堅中小企業(SMB)向けにメッセージング・ソフトやセキュリティ・ソフトなどを展開するGFIソフトウェアは9日、ITソリューション・プロバイダーのネクスト・イットを国内販売代理店として、日本市場に本格参入すると発表した。

GFIソフトウェアは、自社開発の音声・FAXソフトウェア技術の事業化を目的に、1992年に英国で設立された企業(本社は現在マルタ)。翌1993年にはFAXサーバ製品「GFI FAXmaker for Networks/SMTP」を出荷し、1999年には、ベイジアン型スパム・フィルタを当時いちはやく備えた製品として、スパム対策ソフト「GFI MailEssentials」を発表。また、2000年にはネットワークの脆弱性を検出する製品として「Languard」を提供するなどして成長した。現在は、メッセージング、ネットワーク・セキュリティ、コンテンツ・セキュリティの3分野において主要9製品を展開し、ワールドワイドで約20万件の導入実績を持つ。従業員数は約200名、2007年の度売上高は6000万米国ドル。

今回の発表にあたり、会社概要や事業戦略を説明したGFIソフトウェアの副会長 ポール・A.サラベリ氏は、「当社の事業戦略は、価格、品質、性能の3点を中核に据えている。製品についても、市場で最も低く抑えられた価格でありながら、数々のアワードを受賞した品質の高さを備え、SMBに対してもエンタープライズと同等のものを提供できる性能を有するものとなっている。SMB向けに最適化された製品ではあるが、顧客にはエンタープライズ企業も多い」と語った。

GFIソフトウェア主要9製品のラインアップ

同社が国内提供を開始する主要9製品は、メッセージング分野では、FAXサーバ「GFI FAXmaker」(価格: 5ユーザー12万1045円から)、電子メール・アーカイビング・ソフト「GFI MailArchiver」(25メールボックス13万9320円から)の2製品。

コンテンツ・セキュリティ分野では、スパム、フィッシング/フィルタリング対策ソフト「GFI MailEssentials」(10メールボックス4万4550円から)、ウィルス対策ソフト「GFI MailSecurity」(10メールボックス3万4570円から)、Webフィルタリング・ソフト「GFI WebMonitor」(WebSecurity12ヶ月/25ユーザー7万7400円から)の3製品。

ネットワーク・セキュリティ分野では、ネットワーク脆弱性チェック・ソフト「GFI LANguard」(4IP、5万3535円から)、イベントログ管理ソフト「GFI EventsManager」(3ノード16万5120円から)、エンドポイント・デバイス管理ソフト「GFI EndPointSecurity」(25コンピュータ16万1250円から)ネットワーク監視ソフト「GFI NetworkServerMonitor」(5IP、10万6210円から)の4製品。

製品紹介を行った、GFIソフトウェアのアジア太平洋地域担当ディレクター兼ジェネラル・マネージャ、スコット・ウィレム・ジョン・ヘジナス氏によると、これらはすべてサーバ側で動作するソフトウェアで、クライアント側に大きな負荷がかかることはないという。製品の特徴的な機能としては、「ウィルス対策ソフトの「GFI MailSecurity」では、5つのウィルス検出エンジンを同時に利用することで、未知のウィルスにいち早く対応することが可能だ。NormanとBitDefenderのエンジンが標準で装備され、Kaspersky、McAfee、AVGの3つのエンジンがオプションとなる」(ヘジナス氏)などとアピールした。

GFIソフトウェア ビジネス・ディベロップメント・ジャパン ディレクター 楠浩一氏

また、GFIソフトウェアのビジネス・ディベロップメント・ジャパン ディレクターを務める楠浩一氏は、日本市場でのビジネス戦略について説明。日本参入にあたっては、ネクスト・イットが持つ大手企業に対する導入ノウハウや販売ネットワークを活用するとともに、同社のディストリビューター/リセラー(ソフトバンクBB、ネットワールド、丸紅インフォテック、ダイワボウ情報システムなど)を経由した販売によって、SMB市場へと裾野を広げていくとした。楠氏によると、すでに現在までに、国内で約40社の導入実績がある。外資系の証券/コンサル/生保、日系の通信/銀行/ITなどで、国内銀行の事例では、MailArchiverが5500メールボックスで稼働しているという。

日本参入にあたっては、今後数ヶ月にわたって各製品の日本語ローカライズを進めていく。現在までに、MailArchiverの日本語化は終了しており、国内市場で高まっているコンプライアンスへのニーズを受けて、EndPointSecurityとEventsManagerの日本語化に優先的に取り組んでいくとしている。

ネクスト・イット 代表取締役社長 仲西敏雄氏

なお、今回、代理店となったネクスト・イットは、リスクマネジメントを中心としたIT製品/ソリューションの販売のほか、コンサルティング、人材派遣、運用サポートなどを手がける企業。従業員数は64名、資本金3億7562万円で、損保、自動車、通信社などへのソリューション導入実績を持つという。発表に同席した、同社の代表取締役社長仲西敏雄氏は、「GFI製品は、世界的に評価を受けた競争力のある製品。勝算は十分に期待できる。今後3年間で5億円の売り上げをめざす」と意気込みを語った。