リカバリディスクを作成しよう

冒頭でもふれたように、リカバリディスクを作成しておけば、リカバリも非常に簡単になる。Hard Disk Managerは、ウィザード形式でリカバリディスクを作成できる。まず、重要なのは、どの時点でのリカバリディスクを作成するか?である。かなり使い込んでいる状態でリカバリディスクを作成してもよいのだが、保存したアプリケーションのデータなどもあるだろう。ここでは、Windows XPをクリーンインストールした状態から始めてみたいと思う(現在、使用中の状態でリカバリディスクを作成する方法については、後半で解説する)。Windows XPであるが、クリーンインストールした状態では使い勝手があまりよいとはいえない。最低でも

  • グラフィックスカード、NIC、音源などのドライバ
  • サービスパックやその時点までのWindowアップデート
  • 必ず使うであろうアプリケーション

などをインストールした状態でリカバリディスクとしたいものである。デバイスドライバや各種アップデートを行うだけでも相当の時間がかかる。あらかじめそれらを組み込んでおけば、リカバリをすればすぐに使うことができる。

次に検討しておきたいのが、ディスクの容量である。Hard Disk Managerは容量に応じて、複数枚のリカバリディスクを作成できるが、できれば1枚に収めておけると扱いやすい。したがって、あまり多量のアプリケーションをインストールしてしまうと、収まりきらない。筆者の試したところでは、上述のようにXPに必要なドライバやアプリケーションをインストールし、Officeをインストールした状態でほぼ1層のDVDに収まる4GB程度のバックアップファイルになった。このくらいを目標にするとよいだろう。

もちろん、2層のDVDを利用すれば、8GBまで記録できる。もっと多くのアプリケーションをインストールできるだろう。同様のことをVistaでも試してみたのであるが、Vistaの場合は、上述のような状態でも、20GB近いバックアップファイルになってしまった。これでは、1層ならば5枚、2層でも3枚のリカバリディスクが必要になる。あまり現実的ではないかもしれない。

バックアップファイルのサイズの見積もりであるが、Hard Disk Managerでもバックアップ時に予想サイズを計算してくれる。しかし、この手のツールでは、正確なファイルサイズは、バックアップをしてみないとわからないことが多い。HDDの使用量を見て判断するという方法もあるが、注意が必要なのはページファイルやハイバーネーションファイルである(バックアップされないし、する必要もないファイルである)。これを調べるには、コマンドプロンプトを起動し「dir /a C:\」とすればよい。ページファイルは、ほぼ実装するメモリと同じくらいのファイルサイズになっていると思う。

以上をまとめると、

  • 1層1枚(4.5GB)に収めるには、ページファイルなどを除いたディスクの使用量が6GBくらい。
  • 2層1枚(7.5GB)に収めるには、ページファイルなどを除いたディスクの使用量が10GBくらい。

を目安にすればよいであろう。バックアップファイルの作成では、圧縮率を設定できるが、これもファイルによっては、ほとんど圧縮されないこともある(動画や音声データ、さらにはキャビネットファイル)。あまりよくばりすぎないようにしたほうがよいであろう。