ポータルサイトの「Paran」を運営するKTHは、ベンチャー企業支援のため、Softbank Media Lab(以下、Media Lab)と業務提携を行った。

「Litmus2」参加中の2企業を支援

KTHは業務提携により、Media Labが運営するインキュベーティング(育成)プログラム「Litmus2 プログラム」(以下、Litmus2)に加わり、ベンチャー支援を行う。

ベンチャー企業のサービスが、Media Labによる事前審査で可能性を認められれば、Litmus2に参加できる。ここでは自らの新サービスやアイディアを紹介し試すことができるほか、ホスティングや広報、企画および技術に関するコンサルティングなども受けることができるので、ベンチャーにとっては自社のサービスを知らしめ、充実させられる良い機会となる。2007年7月からサービスを開始した同プログラムは、現在50以上のインターネットサービスに関する可能性を検討しており、その中の10サービスを公開中だ。

今回KTHが支援することになったのは、大学生向けの総合コミュニティ「Rukie」、ゲーム基盤のオンライン討論コミュニティ「TWAR」だ。これらに対し、オフィスやホスティング、マーケティングおよびPR、そして運用費用を支援するという。既に「(2企業の)社員20人がKTH社屋に入居を完了した」(KTH)といい、現在はParanとの連動に関して具体化しているところだという。予定としてはTWARがParan内の討論掲示板と、Rukieは同じくParan内のコミュニティサービスとの連動が図られることになっている。

包括的な支援の好モデルになるか

今回の提携は「ベンチャーサービスに対する包括的な支援という点に意味がある」とKTHでは述べている。というのは単にポータルサイトとの連動にとどまらず、オフィスの提供やマーケティング支援など、より包括的な支援形態になっているからだ。

じつは4月にも、ポータルサイト「Daum」を運営するDaum Communicationsが、Softbank Media Labとの提携を行っており、Litmus 2にあるサービスをDaumのブログサービス「TI STORY」と連動させている。Daum Communicationsでは、こうした連動を今後は同好会サービスの「カフェ」などに広げていくと述べている。

こうして連動することによりサービスの露出が増え、その他の面でも支援を受けるわけなので、今回のKTHの支援はベンチャーにとっては大変大きな支援になることは間違いない。

一方KTH側では、外部の優れたサービスを発掘し提携することで、自社サービスを充実させるのにプラスになる。また、KTHとベンチャー企業との協力事例がうまくいけば後に続く企業も出てくるため、ベンチャー育成も盛んになる可能性もある。さまざまな面での可能性を含むKTHの協力モデルに、期待は膨らんでいる。