ソニーは17日、デジタルハイビジョン液晶テレビ「ブラビア」シリーズの新モデル「KDL-32JE1」を発表した。発売は7月30日を予定しており、価格はオープン。市場価格は15万円前後と予想される。

消費電力の低さだけでなく、生産時の環境への負荷も低い省エネ液晶テレビ「KDL-32JE1」

KDL-32JE1は、環境性能の高さを特徴とする液晶TV。バックライトに、低電圧に対応する発光効率の高い蛍光管を採用するとともに、液晶パネルの光学フィルターに使用されるフィルムの光透過率をアップさせることで、少ない電力でも、従来と同じ明るさをキープ。これにより、32V型でありながら、消費電力は、23V型の液晶テレビと同程度の89Wとなっている(32V型のテレビは、消費電力が150W程度のモデルが多い)。年間消費電力量も86kWh/年に抑え省エネ基準達成率は232%。多段階評価で省エネ5つ星の基準も大きく上回っている。

また、使用時の省エネ性能だけでなく、生産時の省資源性も高めた。同社では、2008年春に発売したF1/V1/J1の3シリーズ9機種から、過去に同社が販売したトリニトロンカラーテレビのプラスチック部品、発泡スチロールの廃材などを再生して、部品の一部に使用してきた。KDL-32JE1ではさらに使用する廃棄材料の範囲を拡大し、光学フィルムの生産過程で発生した廃棄材料のリサイクルも開始したという。これにより、生産時のCO2の発生量は、すべて新材を使用した場合に比べて約40%削減されている。

テレビとしての性能は、1366×768画素のパネルを搭載した、シングルチューナーモデル。コントラスト比は2500:1となっているが、これはパネル単体のコントラスト比ではなく、テレビセットとしての(つまり、バックライトコントロールなども含めた)値。使用されている映像エンジンは、F1/V1/J1/M1シリーズと同様に「ブラビアエンジン2」。

機能面では、2.4GHz帯の電波を使用した「おき楽リモコン」を採用。従来の赤外線を使ったリモコンと異なり、テレビにリモコンを向けなくても操作可能だ。さらに、DLNAクライアント機能であるソニールームリンクにも対応。サーバーソフトが導入されているPCやNAS、同社のレコーダーなどから、ネットワーク経由で、動画や音楽、静止画のストリーミング再生が可能だ。