米Time Warnerと米Time Warner Cableは5月21日 (現地時間)、ケーブル事業の分離に関する合意内容が、それぞれの取締役会で承認されたことを発表した。

メディア大手Time Warnerの2008年第1四半期 (1~3月期)決算はAOLと映画部門の不振で前年同期比36%マイナスの大幅減益となった。その中でケーブル部門は、デジタルビデオ・サービスやインターネット接続サービスの伸びが追い風となり、売上高42億ドル (前年同期比8%増)、営業利益6億3600万ドル (同10%増)を記録した。

Time Warnerは現在、メディアとコンテンツに焦点を絞り込んだ経営改革を進めている。例えばAOLのダイヤルアップ事業を分離し、同部門を広告収入主体のコンテンツ・ポータルに変えようとしている。ケーブル事業についてはTime Warner Cable側の株主から独立を求める声もあり、同部門がTime Warnerの他部門の不振を補っているのが現状だが、経営改革方針に従った切り離しにふみ切った。

Time Warnerの社長兼CEOであるJeff Bewkes氏は「分離後は、それぞれが戦略、財政、経営上の柔軟性において、より優れた競争力を持てるだろう。経営チームが、それぞれの事業の潜在力を掘り起こすことに注力し、投資家に対して明確な指針を示せるようになる」とコメントしている。