「アルカイダらイスラム原理主義者は "YouTube" を自らのプロパガンダや勢力拡大に利用している」-- 米国土安全保障政府問題委員会長で上院議員のJoe Lieberman氏は5月19日(現地時間)、YouTubeに対し、米政府の行動への協力と、こうした集団によってアップロードされた動画の削除を要請した。これに対してGoogleは同社の利用規程に違反する残虐動画など80点を削除、Lieberman氏もそうした対応を歓迎するコメントを出し、今後も引き続き迅速な対応を行うよう促している。

「イスラム原理主義のテロリスト団体は、自らのプロパガンダ拡大や賛同者の呼び込み、武器の訓練にYouTubeを利用している」とLieberman氏は説明する。同氏によれば、アルカイダ(Al-Qaeda)らテロリスト集団によって作られた動画はYouTubeにアップロードされて誰でも閲覧可能になっており、その内容は暗殺の様子や米兵/市民の死体、武器の訓練風景、アルカイダらによる扇情的なスピーチなど、西側諸国に対する暴力を喚起するものが中心となっている。またこうした動画にはアルカイダのロゴマークが付与されており、一目で見分けられるという。こうした動画についての詳細は、二院委員会が最近提出したレポート「Violent Islamist Extremism, the Internet, and the Homegrown Terrorist Threat」で確認できる。「テロリストの攻撃から市民を守ることがわれわれ政府の最重要使命だ。民間企業もまたわれわれの活動を支援することが可能だろう。こうした罪のない市民を傷つけようと考える集団からYouTubeを引き離すことで、Googleは国家に対して非常に重要な貢献が行えるだろう」(Lieberman氏)。

こうしたLieberman氏からの要請を受けてGoogleは19日、YouTubeの利用規程に違反する80の動画をすぐに削除、YouTubeの親会社である米Googleの会長兼CEO Eric Schmidt氏はその旨を返答した。Lieberman氏は20日に発表した声明の中で、この対応を歓迎するコメントを発表。だが同時に現状の対応はまだ不十分であるとも指摘している。「いかなる動画であろうとも、アメリカ国家ならびにアメリカ市民を攻撃するアルカイダらテロリスト集団によって作成されたものは看過できない。Googleはその運営ポリシーを見直さなければならない」と述べ、今後も引き続き対応に尽力するよう伝えている。