さて、ここからはハードウェア系のテクノロジ。まずはセンサーネットワーク向けの小型デバイス「Sentilla」から。これは指先に載せられる程度の大きさながら、CPUやメモリ、各種センサー、無線通信機能が搭載されており、CLDC 1.1ベースのJava実行環境によって独自のJavaプログラムを動作させることができる。これを取り付ければ容易に無線ネットワークが構築できるという代物だ。Sentilla CorporationのCTOであるJoe Polastre氏は巨大なビーチボールをいくつか取り出し、会場に向かって投げ入れた。実はこのビーチボールにはSentillaが取り付けてあり、参加者の間を飛び交う様子をセンサーで記録してスクリーンに表示するというデモンストレーションだった。

セッション会場に投げ込まれたビーチボールをセンサー表示したSentilla

続いて登場した「Pulse」は、一見すると単なる巨大なペンにすぎないが、実際にはノートに手書きした単語を認識してスピーカーから発音したり、書いた内容をトレースしてPCに取り込んだりすることができる優れものだ。秒間70コマを取りめるという高速赤外線カメラがそれを可能にしているという。特に参加者の注目を集めたのが"ピアノ演奏"機能。なんと、Livescribe CEOのJim Marggraff氏はPulseを使ってノートにピアノの鍵盤を手書きし、それをペン先で演奏して見せたのだ。そのほかにもPulseには開発キットが付属しており、独自のJavaプログラムを作成してロードさせることができるとのことで、アイデア次第でさまざまな使い方ができそうな気がする。Java開発者の遊び心をくすぐる製品だ。

今回のセッションで最も注目を浴びたのがこの「Pulse」。録音・再生機能をもつノートとペンのセットで約150ドル。デモの後、同社のブースには製品を買い求める人が殺到した。ちなみに編集部もGET! 近日中にレビューをお届けするのでお楽しみに

次に壇上に呼ばれたSun MicrosystemsのGreg Bollella氏は、まず現在の工場オートメーションのシステムが"非常に前世代的なアーキテクチャ"によって稼働しており、そのプロプライエタリな機器のおかげで工場経営者が莫大なコスト高に悩んでいると説明した。そこで登場するのがSolaris 10とJava RTS、そして業界標準のプロトコルであるProfibusのコントローラによって構築された標準制御コントローラ「Blue Wonder」だ。この標準コントローラをベースにすることで産業向けのコントロールシステムが低コストで構築できるようになるとのこと。ステージの一角にはパチンコ台のような機械が設置されており、Blue Wonderを使って構築したシステムによってオートメーション制御されている様子がデモンストレーションされた。Blue Wonderが普及すればオートメーションシステムの市場を大きく変えることになるかもしれない。

Blue Wonderのアーキテクチャ

Blue Wonderで構築したシステムのデモを行うSun MicrosystemsのDistinguished EngineerであるGreg Bollella氏(左)