続いて同氏は「企業には必ず守られなければならない情報が存在している。実際に情報漏えい事故が起きれば企業は大きな不利益となるため、DLPは大きな課題となっている」と語った。実際にシマンテックではさまざまな企業を対象にリスクアセスメントを行っており、統計データとして活用できるまでになっている。

そのひとつの例として、eメールやWebメール、インスタントメッセージなどから送られるデータの中には400通に1件の割合、ネットワーク上で共有されている50ファイルのうちの1つの割合で機密情報が混ざっている例を挙げた。

こうした情報漏えいのリスクを低減させるためには、データがどこに格納され、どのように利用されているのかを把握し、利用する際のポリシーを設定して、違反があった場合のアクションを決めるのがDLPソリューションだ。さらに「すべて包括され、中央で一元管理できるかも重要な点だ」と同氏はいう。

脅威はひとつだけではないので、そのすべてに対応できなければならないことにも触れ「それはエンドポイント上にある脅威かもしれないし、ネットワーク上の脅威かもしれない、あるいはストレージ系の脅威かもしれない。それぞれの脅威に対して包括的な対応を考えなければならない」と同氏は語る。

VontuのDLP製品はストレージ、エンドポイント、ネットワークの3つの領域に対応する6つの製品からなり、一元管理するためのプラットフォーム上で動作する。インタフェースもひとつになっているため効率のよい情報漏えい対策が可能となる。また、自動、手動が柔軟に切り替えられるワークフローや、リスクのマッピングが可能なリポート機能が充実しているのも特長だ。同氏は「どのようなリスクがあり、それをどうやって低減させ最終的にゼロにするのか。そのお手伝いをするのがVontuのDLP製品です」とDLPについての考え方を語る。また同氏は「脅威の97%は偶発的に起こっています。これを低減するためには教育という観点も必要です」と付け加えた。

シマンテックとの合併により新たなソリューションは生まれるのか? という記者の問いに同氏は「製品開発のスピードアップや投入できる人材も増えたので、製品の統合ができる環境が整ったといえる。まずはエンドポイント系の製品から統合を考えている。それによりユーザーにとってインタフェース、エージェントなども一元化され使いやすくなるはずだ。その後はメール系、ストレージ、バックアップ系も徐々に統合していきたい」と語った。

気になる製品群の日本でのリリース時期だが、企業統合が完全に終わっていないためVontuとの限定契約の英語版(日本語ファイル対応)が7月から出荷される予定で、シマンテックとしての日本語版の製品リリースは、今のところ未定。