まとめ
というわけで、駆け足でNehalemに関連する話をセッション資料その他からまとめてみた。総じて言うと、Nehalemは「Core Microarchitectureをサーバー向けに再構築しなおした」という感じだ。一番手が入っているのはやはりFetch→Decodeの部分で、このあたりは殆ど別物といった感じになっている。またターゲットとするマーケットは、従来のMobile向けから明らかにサーバー向けに舵を切りなおした感が強い。恐らくNehalemはサーバーマーケットでOpteronに奪われたマーケットシェアを取り返す、非常に強力な武器となるであろう。
ただその一方、果たしてDesktopやMobileにこれがどこまで効果があるのか? という疑問を抱かざるを得ないのも事実だ。TLB周りとかVT周り、SSE4.2のあたりは、まず間違いなく効果がない。L2キャッシュの高速化とかLoop Stream Detectorあたりは性能改善に寄与するだろうが、アプリケーションによっては同一周波数のPenrynと差が無いなんて結果が出ても不思議ではない構成に見える。
以前どこかで、「IntelのCoreは高回転型エンジン、AMDのK8はトルク型エンジン」なんて表現をしたことがある(*1)が、これを使うとNehalemはCoreの回転数をそのままに、下のトルクを増したという感じだ。恐らく、実際に使うと快適なのだろうが、ピーク性能はあまりCoreと変わりが無いかもしれない。勿論これはこれで進化なのだが、これまでIntelはピーク性能の高さをウリにしてきただけに、どうアピールするのかちょっと興味深い感じだ。
(*1) ちなみにNetBurstはさしずめ「超高回転型エンジン」というあたりか。オーバー20000rpmでブン廻るけど、6000rpm未満だとエンストするみたいな。Coreは、最高回転数は17000rpm位に下がったけど、その代わり3000rpm程度廻っていればとりあえず走るといった程度。K8は10000rpm位しか廻らないけど、トルクの山が5000rpmあたりにありそうな感じ。あ、数字に根拠はありません。単なる筆者の主観ということで。