サードウェーブの「Prime Note Galleria JS」

サードウェーブが発売するPCショップブランドPC「PrimePC」にラインナップされる「Prime Note Galleria JS」は、ホワイトボックス系メーカーらしいシンプルな外観を持つ15.4型液晶ノートPCである。CPU、GPUにこだわりあるスペックを持ち、コストパフォーマンスが魅力の製品だ。

Vista Service Pack 1をさっそく適用

「Prime Note Galleria JS」は白と黒を基調したデザインで、平面的なシンプルな印象の形状を持つノートPCだ。カラーリングの妙もあってか、薄く見えるものの、本体サイズは365×255×38mmと大ぶり。重量は約2.8kg。実際に持ってもズシリとくる感触があり、持ち運びは屋内移動が限界といえる。ただ、バッテリは公称駆動時間が2時間で、厳しい条件で測定した駆動時間でも1時間20分を超えており、意外に持つ印象は受けた。

液晶パネルは15.4型と普及価格帯のノートPCでは標準的なサイズで、解像度は1280×800ドット。15.4型液晶の解像度としてはかなり余裕があり、文字の判読性は非常に良い。逆にもったいないと感じる向きもあるかも知れない。液晶は光沢のあるタイプで、輝度も非常に高い。屋内で使う場合には、やや輝度を落として使うのがベターといえる。

本体右側面。USB2.0×2、IEEE1394、DVDスーパーマルチドライブ、LANを備える

インタフェースで気になった点はUSBポートが3基というあたりで、据え置き利用が主体で本体サイズが大きいわりには少なく感じる。ただ、実用上、必要最低限のものは揃っており、コストパフォーマンスを重視する製品として十分な仕様だろう。

ただ、キーボードはクセのある配置だ。英語キーボードをベースにしているように見受けられる。一部の文字キーが最下段に配置されてしまっているのだ。横長のEnterキーも日本語キーボードを使い慣れた人には珍しい形に見えるかも知れない。PageUp/Downキーが独立している点や、カーソルキーを一段ズラすなど、使い勝手への配慮が見られるだけに、一般的なキーももう少しクセのない配置であると良かった。

キーサイズも適度で打ちやすいキーボードではあるのだが、文字キーの一部を最下段に配する独特のレイアウトがネック。キーボード上部のシルバーの帯部分に、タッチセンサー式のメディア操作キーを装備

そのほかの入力系デバイスに不満はなく、タッチパッドの反応も悪くないし、ボタンも押しやすい。また、アクセントにあしらわれたシルバーの帯にカモフラージュされた、タッチセンサー式のメディア操作キーも便利だ。

本体左側面。ExpressCard/54スロット、USB2.0、モデム、セキュリティロックスロット、D-Sub15ピンを備える

本体前面左寄りの部分には、無線LANスイッチ、マイク入力、ヘッドホン出力、SD/MSカードスロットを装備

このほか驚いたのは、Windows Vista Service Pack 1のCD-ROMが付属しており、これが適用済みで手元に届いたことだ。3月15日のリリースから間のないタイミングであり、検証時間なども必要だっただろう。このあたりのフットワークの軽さはホワイトボックス系製品の大きな魅力といえる。

45nmプロセスCPUとDX10対応GPUを搭載

さて、本製品の魅力は何といっても、そのスペックとコストのバランスにある。本体価格は原稿執筆時に11万9800円となっているが、スペックはその価格のイメージを超えている。

まず、CPUはCore 2 Duo T8100を搭載。このCPUは今年1月に発表されたばかりの45nmプロセスで製造されたCPUで、もちろんデュアルコア製品である。そして、もう一つのポイントはDirectX10対応GPUである、NVIDIAのGeForce 8400M GSを搭載している点だ。Windows Vistaの動作が軽快なのはもちろん、負荷のそれほど大きくないゲームなら十分に楽しむことができるだろう。3DMark06のスコアもノートPCとしては優秀な部類に入る。

さらに、無線LANにIEEE802.11nドラフト対応品を搭載している。こうした最新世代のパーツを盛り込みつつ、普及価格帯の製品価格に抑えていることが、本製品の大きな魅力なのだ。

基本スペックも標準以上のレベルだ。メモリは2GBでWindows Vistaを利用するうえでは最低限搭載していて欲しい容量を用意している。外部GPU搭載製品なので、このメモリ容量をフルに使えるというのも魅力。ドライブ類に目を向けると、HDDは120GBモデル、光学ドライブはDL対応のDVDスーパーマルチドライブを搭載。昨今のノートPCとしては標準的な水準のスペックを持つ。

ネットワーク機能は先述の無線LAN機能に加えて、ギガビットイーサ対応の有線LANを装備。ノート製品では、まだまだ100BASE-TX対応に留まるものが多い。特に、屋内利用が主体となる本製品にとって、デスクトップとの連携などを高速に行えるギガビットイーサの搭載は嬉しい。

もちろん、ホワイトボックス系製品だけに、初心者に向けたプリインストールソフトなどはない。一方、PC Doctor 5のようなデバイステストを行うツールが付属している。底面部からは各種パーツ類へ簡単にアクセスできるなど、PCパーツに対する興味が強いユーザーにとって面白い製品だろう。過度の贅沢はせず、基本性能に特化したコストパフォーマンスの高い製品を求める人にお勧めできる製品だ。

ホワイトボックス系製品らしく、底面部から各種パーツをチェックできる。Mini PCI Expressスロットに2基の空きがあるあたりは、そそられるユーザーも多いだろう

システムチェックツールである「PC Doctor 5 for Windows」をプリインストール。各種デバイスの動作チェックを行ってくれる

ベンチマーク

3DMark06(800×600ドット) CPU Score 1912
3DMark 2165
フルパワーモードにてFFBenchをローモードでループさせたバッテリ持続時間(9セルバッテリ使用) 1時間20分37秒

スペック(テスト機)

CPU Core 2 Duo T8100
チップセット Intel PM965
メモリ 2GB(最大4GB)
グラフィックスチップ NVIDIA GeForce 8400M GS
ディスプレイ 15.4インチワイド 光沢液晶ディスプレイ(1440×900ドット)
HDD 120GB(Serial ATA/54000rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
有線LAN 内蔵(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)
無線LAN 内蔵(IEEEE802.11a/b/g/n)
Bluetooth なし
モデム 内蔵(56Kbps
Webカメラ なし
その他の主な機能 特になし
メディアカードスロット 内蔵(SD/MS)
拡張カードスロット ExpressCard/54スロット
インタフェース 外部ディスプレイ(D-Sub15ピン)、USB2.0×3、ヘッドホン出力、マイク入力、IEEE1394(4ピン)
本体サイズ 365(W)×255(D)×38(H)mm
本体重量 約2.8kg(バッテリ含む)
バッテリ駆動時間(公称) 2時間
OS Windows Vista Home Premium
価格 12万9,980円から