――ちなみに、ハピネットさんでは、これまでカードゲームを手がけられたことは、おありになったんでしょうか?

「いいえ、初めての試みだと言っていいと思います」

――すると、従来にはなかったアイデアということで、企画されてからまず社内で説明する時点で困難に直面されたのではないでしょうか?

「それをクリアするため、手近にあったトレーディングカードを元にして、試作品を作りました。その試作品を企画会議の場でテーブルに広げて、わたし自身が問題を読み、参加者の方々に実際にプレイしていただいたんです」

――なるほど、それはプレゼンとして、良い方法かもしれませんね。そのときの反応はいかがでしたか?

「結構おもしろがっていただけました。今までやったことがなかったということで、そこそこの評価を得ました」

――その後、先ほどうかがったように、皆さんで協力なさって問題をお作りになったり、役のアイデアを出されたり、衆知を集める形で発展してきたわけですね。

「初めてのカード商品を生み出そうというところから出発したのではなく、この形にまとまったのは、結果的にそうなったということですね。形としてはカードですが、内容としては、あくまでもゲームです」

――一方で社外的な評価はいかがだったんでしょう。販売店の仕入れ担当の方々に、いちいちプレイしていただくわけにもいかないと思いますが……。

「やはり、売り込むうえで、従来からあるようなキャラクターものではないので、説明しづらい部分はあったようですね(笑)。これまでになかったアイデアをいかに分かりやすく簡単に説明するのかが難しかったというような」

――販路を確保するという点でも……。

「初のカードゲームの売り込み先をどうするのか、といった問題はあったようですね」

――その結果、具体的には、どのようなお店に置かれることになったのでしょう?

「全国の百貨店、量販店、家電店、玩具店等で、3月21日より税込み1,260円で発売いたします」

――こういった商品が置かれる売り場というのは、どういったところなんでしょう?

「トランプやパズルなどと一緒に並べられるのではないでしょうか」

――ショップさんはそれで良いとして、一般の消費者の方々にとってはどうなのでしょう。まず、新しいアイデアをご説明して、知っていただいたうえでお買い求めいただく、という部分があるのではないかと思うのですが……。

「おっしゃるとおりです。そのため、弊社では、商品モニターを募集いたしました。募集自体はすでに締め切っていますが、結果的に募集定員の3倍以上の方々から、ご応募をいただきました」

――その中から定員に絞って、実際にモニターしていただくわけですね。

「実は、社外の反応はそれ以外にもありまして、一般の方々から、お電話やメールでのお問い合わせもいただいているんです」

――すでにご存知の方もいらっしゃるわけですか?

「これまでにほかで取材をお受けしたりしたこともあって、お尋ねになるお客様がいらっしゃいます」

――そういった方たちは、どんなことを質問なさるんでしょう?

「そうですね、商品の詳しい内容やどこで買えるのか、といったことをお聞きになります」

――そういった方々に向けて、この際、さらに高度な遊び方を教えていただけますか?

「出題者交代ルールというのもご提案しています。ゲームを始める前に、『最初の出題者』となる人をジャンケンなどで決めておきます。時計回りなど、出題者の変わる順番を決め、カードが1枚取られるごとに出題者を次の人に交代していきます」

――ほかにもありますか?

「ランダム出題ルールです。役カードルールや出題者交代ルールにも慣れてきたら、出題者は問題カードに書かれている問題の順番をランダムに替えて読みます。場に残りのカードが少なくなってきたら、わざとお手つきを誘発させる順番で読んだりなど、ゲーム性が増します」