The Web Standards Projectは3日(米国時間)、Webブラウザの実装互換性を調査するためのオンライン試験の最新版となるAcid3を公開した。同プロジェクトはWebブラウザの開発団体に対して同試験に再度注目するように呼びかけている。

Acid3試験はとくにWeb 2.0ダイナミックコンテンツに関する仕様をチェックすることを目的としており、ECMAScript 262やDOM2の実装上の潜在的欠陥を明らかにすることを目指している。インタラクティブ技術はダイナミックなコンテンツを作成するためには欠かせない機能だが、これまでよりも複雑で互換性問題が発生する可能性も高い。Acid3はそうした問題が発生しやすい部分に焦点をあてて作成されている。

Acid3の試験は簡単だ。チェックしたいブラウザでAcid3のサイトにアクセスするだけでいい。ページを開くとそのまま試験がはじまり、100の試験が実施される。試験のうちどれだけがクリアできているかが表示されるようになっている。発表段階ではIE、Firefox、Opera、Safariのすべてに問題が発見されており、同プロジェクトは今後の開発に反映されることを望んでいるという。

Max OS X版Firefox 3 Beta 3でAcid3試験を実施した結果 - だいぶましな表示になっているが61だけクリア。正しくレンダリングされれは白黒ではなくカラフルな表示になる

The Web Standards Projectはこれまでも同様の試験を提供してきている。最近では次期IE8がAcid2にクリアしたという報告がながれ、IE8の標準準拠度が高まるのではないか期待が高まった。これまでのAcid試験が比較的静的な試験だとすれば、Acid3は動的な機能をチェックするためのものだ。多くのブラウザにとってひとつの試金石となる。

直近ではIE8とFirefox 3がビッグリリースとなる。そのほかSafariやOperaも次期リリースが計画されており、それらリリースでどこまでAcid3に対応してくるかが興味深いところだ。Acid2やAcid3にクリアすることが標準規約に準拠していることを保証するわけではないが、よくできた一つの指標としては価値のあるものだ。今後の各ブラウザの対応状況に注目したい。