バナー広告の出稿状況をレポート

ネットレイティングスは、オンライン広告統計レポート「AdRelevance EXpenditure」をcciと共同で開発し、2007年11月から提供している。

AdRelevance EXpenditureは、インターネット上のメディアで展開されるバナー広告の出稿状況をレポートするもの。ネットレイティングスが提供している広告収集技術とネット視聴率情報に、cciのオンライン広告のメニューデータベースを組み合わせて、広告主や広告会社向けに最新のネット広告の出稿状況データを提供する。400サイト/60,000URLを計測対象に、365日24時間広告収集を行い、mixiなどログインが必要な広告掲載面への掲出状況を把握することも可能で、個別のバナー単位でインプレッション保証型、期間保証型を反映した広告費を算出する。広告主や広告主業界ごと、サイトや広告メニューごとにオンライン広告の掲載状況を質・量の両面から把握できるため、クライアントの広告活動の適正なプランニングや修正に活用できる。

プレゼンテーションを行った、ネットレイティングス製品サービス担当バイスプレジデントの西村総一郎氏は「これまでもネットレイティングスはネット広告の最適化を行うためのサービス提供をしてきたが、より広告関係者に沿った商品を作りたいということで、今回のサービスを開始した」と説明した。

ユーザーとブランドのコミュニケーションの場を創出

現在、14万件の登録商品を掲載し、日本市場に出回る化粧品のほぼすべてを網羅する、クチコミ情報サイト「みんなのクチコミサイト@cosme」(@cosme)の運営を手がけるアイスタイルの代表取締役 山田メユミ氏は、2008年4月から新たに開始するサービスを紹介。新ブランドや新商品の発売を@cosme内で告知する「エントリーパッケージ」と、ユーザーとブランドのコミュニケーションの場を提供するプラットフォームサービス「ブランド育成パッケージ」を新たなインフラとして提供するという。

具体的には、ブランド情報の閲覧基点となるindexページを設置するほか、全体のページビュー(PV)の3割を占めるコンテンツエリアにブランドPR発信枠を設け、ブランドからの継続的な情報発信が可能になる。さらに、消費者とより深いコミュニケーションが可能なオフィシャルブログサービスも展開し、山田氏は「コミュニケーションにより、ブランドのファン拡大が期待できるようなサービスを提供したい」と語った。さらに、「Yahoo! BEAUTY」と提携し、一本化したタイアップページの展開も予定されている。

山田氏は「200万ユニークユーザーのうちPCユーザーが140万人の@cosmeと、月間アクセス380万ユニークブラウザのYahoo! BEAUTYという圧倒的なリーチ規模と、@cosme編集部制作の高い制作クオリティーを兼ね備えたタイアップメニューをサポートする」と、新サービスのメリットを強調。「@cosmeは、現在550万件のクチコミ件数を誇り、外部調査でも女性サイトの総合評価第1位を獲得している。化粧品に限らず、ネットの登場により消費行動の変動が叫ばれたここ数年で、必要なファンクションとしてユーザーから求められている結果だと自負している。今後もできるだけ正しい評価と、正当なデータベースで消費者に信頼されるサービスを展開していき、消費行動にともなったサービスを提供することで、企業と制作者をよりよいかたちでつなげるお手伝いをしていきたい」と豊富を述べた。

ハイブリッドターゲティング広告

cciの子会社で、クライテリア・コミュニケーションズの代表取締役社長 桜井賢氏は、cciグループが展開するインターネットアドネットワーク「ADJUST」で展開する「ハイブリッドターゲティング広告」を紹介。

ハイブリッドターゲティング広告は、カテゴリーマッチと行動ターゲティング方式を融合させた広告配信サービスで、高性能・大規模な辞書、知識、意味照合アルゴリズムをベースに開発されたNTTデータの日本語意味理解エンジンをカスタマイズした「スーパーなずき」をコアベースに、ユーザーの閲覧しているページの分析と予測を行うのが特徴。1日に1回クローリングをスーパーなずきで分析し、ユーザーの興味関心や意図からターゲティング情報を抽出し、文章全体(コンテンツ)の意味理解に基づき、最適な広告掲載が可能となる。

桜井氏はクルマを例に挙げ「新車の広告を見ていたユーザーが、クルマではなく、周辺情報を見た段階で、スーパーなずきが解析し、既にクルマを買ってしまったのではないかと判断する。既に購入したユーザーにとっては、新車の広告は有用ではなくなる。そこから先は、周辺情報の広告を出したり、ネガティブな情報を削除したりして広告効果を高めていく」と説明した。

そのほか、2007年にcci、NTTデータ、ACCESSと業務提携により実現した、ウェブコンテンツをモバイル端末向けに自動変換するサービス「Transcoder」を5月から本格販売することや、2007年11月に開始した「ADJUSTモバイル」を女性系サイトでパッケージ化したトライアルサービスを3月に実施することが発表された。