「Microsoft Mobile Memory Mouse 8000」は、レーザーセンサーを搭載したワイヤレスマウスだ。付属のレシーバに1GBのフラッシュメモリを搭載し、ケーブルを接続してマウスに充電できる。キャリングケースが付属するだけではなく、マウス自身にもモバイルユースへの配慮が施された製品である。

球状で背の高い外観が特徴的な「Microsoft Mobile Memory Mouse 8000」

左側面上部に機能割り当て可能のボタンを2つ装備

無線とBluetoothに対応するマウス

同梱品。このほかにインストールマニュアルとドライバCDが付いている

パッケージにはマウス本体のほか、2.4GHzの無線レシーバ、充電ケーブル、携帯用ケース、単4乾電池サイズのニッケル水素電池が付属する。マウス本体の大きさはデスクトップPC用マウスより一回り小さく、背の高い形だ。球体に近いために、屋外で使用中に落としてしまった場合はどこまでも転がってしまいそうである。しかしこの形は手ですっぽり覆うようにしっかりと保持できるから、落としにくいデザインだといえそうだ。

触ってみた最初の印象は"クリック感の少なさ"だった。マウスのクリックボタンといえば"カチッ"とした触感があるタイプが多いけれど、このマウスのクリックボタンはペコペコしている。この方式は弱い力でも敏感に反応してくれるというメリットはある。しかし、本機はボディと一体化したマウスボタンを採用したため、ちょっと強く握っただけでクリックしてしまう。

なぜこんなボタンを採用したのかと不思議だったが、モバイル状態で使うと理解できた。このマウスボタンは静かだから、周囲の人に耳障りなカチカチ音を聞かせなくてすむのだ。新幹線の車内やコーヒーショップなどの狭い場所では、他人が操作するキーやマウスの音が神経に障る。それを改善しようという意図なのだろう。航空機の中で使っても、隣席の人の睡眠を妨げない……とも言いたいけれど、残念ながら無線を発信するマウスは旅客機内での使用が禁止されている。国によって無線機器を扱う法律や基準が違うから、このマウスは海外出張では使う場面が限られるかもしれない。

レーザーセンサーの感度は良好で、つるつるのテーブルやジーパンを履いた太ももの上で動かしても操作に差し支えない。新幹線などの小さなテーブルにノートPCを置けば、マウスを操作する場所がないから、ひざの上や隣の席の座面でマウスを操作できることは重要であろう。レシーバと無線の距離が10メートル離れても使える、と言われても実感がわかないけれど、それだけの出力があれば、テーブルの下や肘掛の上でもマウスを動かせる。高性能な無線マウスは狭い場所で効果を発揮するのだ。

マウス本体は付属のUSB無線レシーバのほかに、Bluetoothにも対応する。無線とBluetoothの切替は、電池カバーを開けたところにあるスイッチで行う。Bluetoothを搭載したノートPCではレシーバなしでマウスを使える。これでUSBポートを1つ空けられることになる。

1GBのメモリを搭載したUSBレシーバは厚め。二個口のUSBコネクタの場合は空きコネクタを塞いでしまう。ノートPCのUSBコネクタは1個独立が多いのでこれで差し支えないのだろう