「ibisBrowserDX」。クライアント・サーバ型アプリケーションとして、中間サーバを介することで、高速かつ高いレイアウト再現性を実現したフルブラウザ

最近のWindows Mobile搭載端末の躍進には、少々目を見張るものがある。続々と新製品が繰り出されている状況だ。また、ウィルコムの「W-ZERO3」シリーズ、イーモバイルの「EM・ONE」シリーズ、ソフトバンクモバイルの「X02HT」や「X01T」(Xシリーズ)、NTTドコモの「hTc Z」(法人向け)など、発売済のもので即座にモデル名が浮かぶ製品は、そのほとんどが通信機能を内蔵したスマートフォンなのは、それだけインターネットへの接続が渇望されているためだろう。

これらの製品はすべて、ブラウザとして「Internet Explorer Mobile」を標準搭載し、加えて、定番と言える「Opera Mobile」も搭載している製品がほとんどだ。おかげでに追加アプリケーションをインストールする手間もなく、標準状態でWebサイトを閲覧することが可能だ。

このほかにも、ACCESSの「NetFront」(テクニカルプレビュー版)も公開されており、Windows Mobileユーザーには概ね3つの選択肢が用意されている。ユーザーは各自、好みや閲覧するWebサイトに応じて、ブラウザを使い分けていることだろう。

このような恵まれた状況において、新たなブラウザが登場した。アイビスが提供する「ibisBrowserDX」である。先にあげたブラウザとの大きな違いは、ibisBrowserDXが、その通信に専用の中間サーバ(ibisBroweserDXサーバ)を介する、クライアント・サーバ型ということだろう。また、「携帯電話用」として既に定評があるブラウザでもあり、そのユーザーインタフェースは、PCライクなブラウザに慣れた身では、逆に最初は少々違和感を感じるかもしれない。本稿では「ibisBrowserDX」の全体像を概観してみようと思う。

ケータイライクなインタフェースを採用したブラウザ

アイビスが提供するポータル「ibisPortal」

ibisBrowserDXは元来FOMAなどの携帯電話で、高速・高機能なフルブラウザとして定評を得ていたアプリケーションだ。Windows Mobile端末のブラウザとしては、10月にWindows Mobile 6 Standard版が、11月にはWindows Mobile 6 Professional版の提供が始まったばかりで、新進気鋭のブラウザと言える。

インストールは、公式サイト「ibisBrowser Personal Edition」から「Windows Mobile版」をたどり、提供されているCABファイルを、Windows Mobile端末で実行するだけだ。インストール先はmicroSDカードなどの外部メモリではなく、本体を指定しよう。

なお、Windows MobileのエディションにあわせてProfessional版とStandard版が用意されている。Professinal版は「W-ZERO3」「W-ZERO3 [es]」「Advanced/W-ZERO3 [es]」「hTc Z」「X01HT」「X01T」「EM・ONE」「EM・ONEα」に、Standard版は「X02HT」に対応している。

「PCビュー」での表示画面。パソコンのブラウザでの表示と同様。表示画面に収まらない場合は、カーソルキーや画面のドラッグでスクロールしなければ、全体をみることができない

「ケータイビュー」での表示画面。携帯電話での閲覧と同じように、構成要素がすべて縦1列に配置されて表示される。テキスト主体のサイトの閲覧に向くだろう

10キーをショートカットとして利用しているため、フォームの入力などは別画面への遷移が必要となる

他のブラウザとは異なる独自の操作感が特徴のibisBrowserDX。次項から、10キーを使用したショートカット機能やWebサイト自在に拡大縮小できるタブ機能について紹介する。