セキュアな通信や制限事項について

残念ながら、JavaScriptの実行、Flash、動画の再生には非対応だ。高速なレンダリングを実現していることもあり、非常に残念なところではあるが、致し方ないだろう。いざというときは、「補助メニュー3/3」→「1. IEで開く」からIE Mobileを簡単に起動することが可能となっている。

「補助」→「補助メニュー 3/3」→「IEで開く」で、該当ページをIE Mobileで開くことができる

また、先にも説明した通り、中間サーバを介するクライアント・サーバ型の通信アプリケーションとして実装されているため、SSLを使ったセキュアな通信に関しては特に注意が必要だ。

接続先のWebサイトとの通信は必ずibisBrowserDXサーバを介して行われる。これは、接続先WebサイトがSSLによる暗号通信に対応していようとも、全通信経路において暗号化が施されるのではないということだ。

つまり、接続先WebサイトとibisBrowserDXサーバとの間では、SSLを利用したセキュアな通信が確立されるが、ibisBrowserDXサーバと手元の端末との通信はセキュアではない。Webサイトの閲覧にSSL接続による暗号化が必要な場合、端末とibisBrowserDXサーバ間はセキュアではなく、プレーンな情報のまま通信されてしまう。セキュリティを重視しなくてはならないサイトの閲覧は控えた方がいいだろう。

mixi.jpを表示した様子。ログイン時にSSLを使っても、素のパスワードがネットワーク上を流れてしまう

まとめ

Windows Mobile端末ではIE MobileやOpera Mobileが先行しており、定番のブラウザとして定着しているが、その機能は一長一短の部分があることも否めない。ibisBrowserDXは月額315円(もしくは年額3,000円)の使用料金が必要になる有料サービスだが、高速かつ高機能で、10キーのみで操作可能な軽快なフルブラウザである。

全機能が試せる試用版(1日5ページまでの使用制限)が用意されているので、試してみる価値は十分にある。IE MobileやOpera Mobileで満足できていないユーザーは、是非とも試してみてほしい。高速で軽快な動作、高いレンダリング性能には、きっと目を見張ることだろう。