世界最大の家電ショー「2008 International CES」が米国ラスベガスで米国時間7日から開幕する。同5日には恒例となっている前々日イベント「CES Unveiled」が開催され、さまざまなメーカーが新製品を出展していた。
Logitechは、「diNovo Mini」などの新製品を発表。diNovo Miniは、手のひらサイズのワイヤレスキーボード。BluetoothでWindows PCやプレイステーション3と接続して操作が可能だ。右上部に円形のクリックパッドを備え、スライドスイッチの切り替えで十字キー+中央OKボタンと、静電式のタッチパッドという2種類の操作が行える。
手のひらサイズながらフルキーボードを備えるのでメール作成をしたり、ブラウザ専用ホットキーを使ったWebアクセスをしたり、といった操作に加え、Windows Media Center起動やボリューム調整・再生・一時停止・早送り・巻き戻しの操作が可能なボタンも配置した。PageUp/Downボタンでチャンネル切り替えも可能だ。
流線型の独特なデザインだが見た目は高級感があり、カバーを閉じるとスタンバイ、開けると起動という操作性も良さそう。メディアセンターPC用のリモコンというと、「赤外線を使った普通のリモコン」が多いが、これはキーボードと一体化しつつ小型に仕上げた。なお、背面のバッテリー室の中にはBluetoothドングルを内蔵している。
日本でも発売予定で、発売は3月、価格は18,800円の予定。
もう1つが「Logicool Z Cinema」。これは2.1chのスピーカーシステムだが、SRS TruSurround HDを採用したことで、バーチャルサラウンドによる5.1chの疑似的なサラウンドを実現する。スピーカー自体はツイーターとミッドウーファー搭載の2Wayサテライトスピーカー+8インチサブウーファーの構成で、ピアノブラックとシルバーの外観でデザイン性も高めた。
メディアセンターPCの音をより高音質で楽しめるほか、ヘッドホンを接続して音を楽しめる。また、外部入力端子も備え、iPodなどのオーディオプレイヤーを接続することも可能。リモコンも付属する。
こちらも日本での発売は3月、価格は36,800円の予定だ。
Logitechはほかにも、「Logitech Squeezebox Duet Network Music System」「Logitech Harmony One」といった製品も出展。いずれも日本での発売は現在未定。Squeezeboxは、PC内の音楽ライブラリを読み込んで、家庭のスピーカーなどに出力することができる。
リモコンとレシーバーから構成され、リモコンには2.4インチ液晶を搭載。読み込んだ音楽ライブラリを画面で見ながら操作できる。レシーバーは、無線LAN(IEEE802.11g)に対応し、ワイヤレスでPCと接続してライブラリを読み込み、スピーカーなどに出力できる。書斎のPCのライブラリを、リビングのステレオで聴く、といった操作が可能。似たような機器ではAppleのAirMac Expressがあるが、こちらは画面付きのリモコンを同梱し、Windows/Mac/Linuxに対応、MP3/AAC/WMA/Ogg Vorbisなどの多様なフォーマットをサポートする。さらにS/PDIFやヘッドホン端子などを備える点もポイントだ。
米国での発売は1月で、価格は399ドル。レシーバー単体(149.99ドル)、リモコン単体(299.99ドル)での販売も行われる。
UWB規格の1つ、「CWave」を推進するPulse~LINKは、HD映像の無線伝送のデモを実施。HDMI経由でCWave端末に送った映像を無線でテレビに送信するというもの。技術的にはWave UWB HDMI-Over-Coax技術を用い、GefenのHDMI Over Coax Extenderを利用した。
これを利用することで、HD映像をワイヤレスで送信できるため、家のどこでも高画質な映像が楽しめるとしている。Gefenの製品は、今年4月にも米国で登場予定だという。
すでに登場している(キワモノ的な)製品としてはSE2 LabsのITC ONEが異色。一般的なタワー型PCよりもさらに大きなきょう体に、マイクロソフトのXbox 360+HD DVDプレイヤー、任天堂のWii、Direc TV、TiVo、ハイエンドアンプシステム、iPodドックなど、音楽・映像・ゲームを「内蔵」してしまうという製品だ。
自作PCにドライブを加えるようにきょう体にゲームやiPodなどが1つのケースに収められている姿は圧巻。価格は2,500ドルで、本体の大きさもかなりのもの。「日本でも売りたい」とのことだったが、住宅事情に恵まれない日本では難しいかもしれない。
今回のCES Unveiledで非常に多かったのがiPod対応スピーカー。とにかく各社がiPodドックを搭載したスピーカー製品を出展していたのが目に付いた。
ドイツの新興スピーカーメーカーsonoroが出展していたのはシンプルなデザインながら高級感のあるスピーカー「cubo elements」「cubo fusion」。MP3を録音したCDも再生できるCDプレイヤーやインターネットラジオとしても利用可能。上部にiPodドックを備え、付属のリモコンでiPodの操作も可能だ。今年前半には発売予定。
Bel CantoはiPodドックを備えたオーディオコンポーネントを出展。Sonic Focusの圧縮音源を高音質化する技術を使い、iPodの音楽を7.1chのサラウンドで再生することができるというもので、S/PDIFやSビデオ・コンポーネント端子、ヘッドホン端子なども備える。今年第2四半期の発売予定で、価格は1995ドルだという。
新興のCue Acousticsによる「Cue r1 Radio」や、未使用時は球形のスピーカーで、前面のスピーカー部を開くとiPodドックが現れてiPodを装着できるVestalifeの「Vestalife Ladybug」など、さまざまな製品が展示されていた。いまだにiPodブームは続いているようだ。
iPod以外では、韓国e-Detailの「Presenter PSR」が目を引いた。正面だけ見ると全面液晶のタッチパネル搭載タブレットだが、背面にももう1つ小さな液晶を搭載。名前の通りプレゼンテーション用のタブレットとして開発されたもので、客側には大きな液晶を店、同じ画面を小さな液晶に表示して自分で見ながら説明する、という用途で使われる。画面が連動するほか、タッチパネルを使って小液晶側に書き込むと、同じ書き込みが大液晶側にも表示される。
無線LANやUSB×3、カメラなども内蔵しており、OSにはWindows XP Tablet PC Editionを採用。Windows Vistaにも対応可能だという。価格は1,200ドル程度。すでに日本でビジネスを開始しようとしていたようだが、まだ実際に発売はされていないという。
そのほかにも、SanDiskがソリッドステートドライブ(SSD)を使ったPCI Expressモジュール「Vaulter Disk」を出展。これは、OSをVaulter Diskに保存し、ユーザーデータをHDDに保存することで、PC全体のパフォーマンスを向上させようとするもの。
ブースの担当者によれば、HDD単体時に比べて30%の高速化が実現するということで、今年第2四半期にOEM向け出荷を開始するという。