日立製作所は19日、同社が運営する企業間電子商取引サービス「TWX-21」において、高速通信サービス「Web-EDI Globalグローバル高速インターネットオプション」の提供を開始した。TWX-21のサーバは日本国内にあり、これまで海外から利用する場合は、レスポンスに時間がかかるという課題があった。しかし本サービスにより、海外からでもTWX-21を快適に利用できるようになる。同社では、今後3年間で3,000社の利用を見込んでいる。

「Web-EDI Globalグローバル高速インターネットオプション」は、米Akamai Technologiesが提供しているインターネットの通信速度を高速化するためのサービス「アプリケーション・パフォーマンス・ソリューションズ」(APS)を利用したもの。APSは、世界71カ国に配置した約2万台の専用サーバを経由して通信することにより、インターネットの通信速度を高速化する。独自のアルゴリズムにより、インターネット網の回線状況から最適なアクセス経路を判定し、その経路をたどるよう制御するなどの手法を用いて、高速化を実現している。

アカマイ(Akamai Technologiesの日本法人)の小俣修一社長によると、「たとえば中国の広州から日本のサーバにアクセスした場合、通常のインターネット回線では11.4秒もかかる。そのため、業務用アプリケーションによってはタイムアウトになってしまう。しかしアカマイのAPSを利用すれば、わずか1.5秒に短縮できる」という。

「TWX-21」は企業間EC(電子商取引)サービスの国内最大手で、今年(2007年)12月現在の会員数は3万8,400社。そのうちの半数以上となる62%を精密機器メーカや電子部品メーカといった製造業が占めている。最近では、製造業の多くが海外に複数の拠点をもち、資材調達や生産などを行っている。そのため、TWX-21を海外拠点からでも快適に利用したいという高いニーズがあった。今回、提供を開始した「Web-EDI Globalグローバル高速インターネットオプション」は、すでに大手電気メーカ1社が試験的に導入しているという。