米Appleが9月にiPod touchを発表した際、iTunes Wi-Fi Music Storeの提供をアナウンスした。これはiPod touchやiPhoneを使って無線LAN経由でiTunes Music Storeの利用を可能にする。この新サービスの提供にあたりAppleは米Starbucksと提携し、米国内にある同店舗の無線LANホットスポットを使って無料でiTunes Wi-Fi Music Storeに接続できる仕組みの構築を発表した。同サービスは10月2日のシアトルとニューヨークを皮切りに、11月7日にサンフランシスコ周辺で利用可能になったばかり。2008年2月にはシカゴにエリアが拡大される。今回はサンフランシスコでスタートした新サービスの現況をお伝えする。

Starbucksの無線LANとiTunes Wi-Fi Music Store

まずは簡単にStarbucksで提供される無線LANホットスポットとiTunes Wi-Fi Music Storeについておさらいしておこう。

米Starbucksは現在、T-Mobile USAとの提携で全米のStarbucks店舗に有料の無線LANホットスポットサービスを展開している。T-Mobileとの同様の契約はドイツや英国などの欧州各地でも行われており、Starbucksの店舗さえ発見できればいつでもインターネットに接続できるという、モバイラーにとっては非常にありがたい環境だ。ユーザーは米国Starbucks店舗での接続にあたり「T-Mobileとの20~40ドルの月額契約」「9.99ドルの1日使用パス」「他社サービスからのローミング」のいずれかのオプションを選択し、Webブラウザで認証ページを通過した後にインターネット接続サービスが利用できる。

今回AppleとStarbucksが提供開始したサービスは、この有料契約と認証ページの通過という2つのプロセスを省き、iPod touch、iPhone、またはiTunesのインストールされた無線LAN対応のMac/ PCから直接iTunes Storeに接続することを許可する。なおiPhoneユーザーはファームウェアのバージョンを1.1.1以上にアップデートしておかなければいけない。