情報処理推進機構(IPA)は31日、IT人材のスキルを評価するための基準となる「ITスキル標準」の改訂方針を決定したと発表した。情報処理技術者試験の出題項目との整合性を図るなど、同試験を積極的に活用する。新しい情報処理技術者試験が2008年秋から開始されるのに合わせ、2008年3月に「ITスキル標準V3」、同年10月には「ITスキル標準V3 2008」を公開する予定。

ITスキル標準は、2002年に公開された後、2006年4月にはその改訂版となる「ITスキル標準V2」を公開。その後も、産学の有識者で構成する「ITスキル標準改訂委員会」で検討を重ねてきた。

今回決定された改訂方針では、経済産業省産業構造審議会情報経済分科会情報サービス・ソフトウェア小委員会人材育成ワーキンググループの報告書「高度IT人材の育成を目指して」を受け、ITスキル標準の職種について、同報告書の人材像との整合性を図るとしている。

また、ITスキル標準の中のレベル1-3については、職種共通のスキル領域を定義し、情報処理技術者試験の出題項目との整合性を図る。この結果、レベル1-3については、各レベルに対応する試験に合格すれば、そのレベルに達したものと判定されることになる。レベル4については、対応する試験と業務経験を確認することでスキル判定を行うようにする。

さらに、IPAのITスキル標準センターが創設した、ビジネスの現場で活動するIT人材の組織である「プロフェッショナルコミュニティ」の改善提言も受け、「コンサルタント」「ITスペシャリスト」の専門分野の定義を改訂するほか、「アプリケーションスペシャリスト」の専門分野「業務パッケージ」の内容の見直しも行う。