News CorporationとNBC Universalの合弁によるオンラインビデオ配信サービスHuluが10月29日 (現地時間)、プライベートベータの提供開始を発表した。同サービスのサイトで参加希望者の受付を行っており、すでに段階的にインビテーションを送付しているという。

Huluはサービスの特徴として、「豊富なコンテンツ」「視聴体験」「ビデオ共有」「Web全体へのリーチ」の4点を挙げている。

コンテンツは、News CorpとNBC Universal傘下のネットワーク局 (Fox、NBC)、15以上のケーブルネットワーク局 (Bravo、E! Entertainment、FX、Sci Fi、USAなど)に加えて、今回新たにMGMとSony Pictures Televisionとのライセンス契約が発表された。これによりユーザーは「Heroes」、「House」、「The Office」、「The Simpsons」などの人気テレビ番組、「The Blues Brothers」や「Sideways」などの映画を無料オンデマンドで楽しめる。またReveille、Smithsonian Networks、World Wrestling Entertainmentのような独立したコンテンツプロバイダーの作品も多数提供されるそうだ。配信方法はストリーミングのみで、ユーザーがビデオをダウンロードすることはできない。

Huluのプレーヤーページ

電子メールによる共有

ビデオのブラウジング画面はシンプルでわかりやすく、ユーザーはフルスクリーンや小型のビデオプレーヤーなど任意のスタイルでビデオを視聴できる。気に入ったビデオは、電子メールやWebサイトへの埋め込みで共有可能。ビデオ全体または一部のシーンのみなど自由に選択できる。

HuluはAOL、Comcast、MSN、MySpace、Yahoo!などとパートナー契約を結んでおり、これらのサイトでもHuluが提供するビデオを視聴できる。これにより正式サービス開始時には米国のインターネットユニークユーザーの96%をカバーできる見通しだという。

これまでユーザー数で他を圧倒していたYouTubeにプレミアビデオコンテンツも集まっていたが、YouTubeに頼らずにコンテンツ所有者が自らビデオ配信に乗り出すケースが増えている。Huluもその1つであり、NBC Universalはベータ提供開始前に、YouTubeへのプロモーション用のクリップ提供を中止した。Huluの配信プラットフォームが本格的に稼働し始めれば、オンラインビデオ配信の分散化にさらに拍車がかかることになりそうだ。