今回のレビューに使用した試用機は、ATI Mobility FireGL V5600とWUXGA液晶パネルの組み合わせだったが、個人的には液晶の発色で赤が強いように感じられ、全体的にくすんだ色合いだった。また、明るい色調の表現があまり得意ではないようで、グラデーションがのっぺりしやすいように見えた。輝度は15段階で調整可能だが、各段階ごとの輝度の変化が一定ではなく突然暗く、または明るくなる。また、高精細画面での長時間の作業を考慮したせいか、最高輝度に設定してもそれほど明るくは感じなかった。

動作音については、負荷が高くなると「ゴー」という排気音が発生する。音そのものは大きいが、負荷が低くなるとすぐにファンの回転数が落ちる上にファンが作動することはあまり多くないため、3Dレンダリングのような高負荷な作業を常時行うといった使い方でなければ気になることもないだろう。

パフォーマンスについては、Core 2 Duo T7700、2GBメモリ、1GBインテルターボ・メモリ、200GB容量の7,200回転HDDを搭載した試用機のWindowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアは4.7と、ノートPCでありながらかなりよいスコアをたたき出している。

高解像度から得られる抜群の作業性が魅力の同機だが、エクスペリエンスインデックスではグラフィックス機能のスコアが最も低いようだ

PCMark05、3DMark06、Final Fantasy XI Official Benchmark 3でも良好なスコアを記録していて、さらにはDirectX 10を使用するLOST PLANETのパフォーマンスベンチマークでもまずまずの成績を残した。全体を見渡してみると、3Dグラフィックスを駆使した3Dゲームをストレスをまったく感じることなく楽しみたいというエンスージアストでもない限り、業務向けワークステーションとしてもエンターテイメントノートPCとしても十分に通用するだけの実力を持った製品と言えるだろう。

PCMark05

PCMark 5687
CPU 5998
Memory 3350
Graphics 4690
HDD 6269

3DMark06

3DMark06 Score 2886
3DMark06 SM2.0 Score 947
3DMark06 Pixel Shader 108.657
3DMark06 Shader Particles 21.857
3DMark06 Perlin Noise 33.950

FF XI Official Benchmark 3

High 4414
Low 7085

LOST PLANET(DirectX 10)

Snow 10.9
Cave 11.7

Endeavor NJ5100Proは、地上デジタルチューナーや次世代光学ディスクドライブといった流行の最先端マルチメディア機能こそ搭載していないものの、大画面液晶ディスプレイを備えたデスクトップに迫る、最大WUXGAの液晶パネルによる作業性のよさとCentrino Proプロセッサー・テクノロジーによる基本性能の高さが秀逸な製品だ。また、CPUがCore 2 Duo T7700であることをのぞけばすべてのパーツで最上位クラスのものが選択された試用機においても、価格が27万2,265円とコストパフォーマンスの高さも見逃せない。デスクトップと同じ感覚でバリバリ使えるノートPCを探しているならば、Endeavor NJ5100Proを検討してみる価値はあるだろう。

今回使用した評価機の仕様と価格