人物と美肌の肌比較チェック

顔認識機能については以前の記事「どこまで見分ける!? デジカメ顔認識対決」でも書いたが、富士フイルムの顔認識機能「顔キレイナビ」はとても優秀だった。

F50fdではさらに顔検出技術を進化させ、これまで難しいとされてきた横顔や斜め顔のデータを追加し、顔検出範囲を横顔で左右90°、斜めでは270°まで拡大したという。検出速度については従来機種でも充分だったので、顔認識の応用範囲を広げたということだろう。実際に撮影してみたが、真横に近い横顔、下からや上からのアオリや俯瞰の撮影も可能だった。

人物を撮影するときは、肌の色味や滑らかさの再現が気になるところ。肌の表現は露出や画像処理によって変わってくる。今回は、シーンポジション「人物」と新たに追加された「美肌」で比較してみた。本来なら子どもや可愛い女の子を撮影したかったのだが、協力者がいなかったので自分で試した。見苦しいのは承知だが捨て身の撮影に免じて許してほしい。

撮影したのは窓から3mほど離れた晴れた日中の室内。逆光だったので、どちらのモードも「赤目軽減発光」でフラッシュが自動で発光した。顔に合わせてフラッシュの光量も調節されるが、美肌モードのほうが発光量が強いらしく、毛穴などの肌の粗(アラ)は飛ばし、画像処理で肌も滑らかに処理された。人物モードもソフトに処理されるが、眉毛やマツゲなどのディテールを残して忠実に再現しようとしている。肌の色も人物モードは、健康的な血行の良い色で表現されるが、美肌モードでは明るい透明感のある色味で表現されるようだ。

美肌モードはファンデーションを塗ったように毛穴やくすみを消して撮影できるが、フラッシュを使った撮影は昼過ぎに行ったので鼻の頭やおでこにテカリが目立ったのが気になった。当たり前の話だが、カメラの性能がどんなに良くても被写体の状態が良くないとキレイにうつすことは不可能。やはり撮影前は化粧直しは必須だな……なんてくだらないことを思ってみたり。シーンポジションを使わなくても富士フイルムの色はキレイなので肌色もキレイに表現する。しかしシーンポジションを使うようなら、子どもには人物モード、女性には美肌モードと使い分けるのがいいと思う。

では、フラッシュを使わないとどうなるのだろう? フラッシュを発光禁止になるナチュラルフォトモードで顔認識をONにして撮影。暗い場所の逆光撮影は、感度は上がるものの顔に合わせた露出が不十分のようで、顔がかなり潰れてノイズが乗っている。フラッシュを使わなくてももうすこし顔が明るく補正できたらいいと思うが、このような場合は露出補正をマニュアルで行なうしかないようだ。

顔認識機能が付いているカメラを持つと、ついつい人形などに向けて認識するか試してみたくなってしまう。カカシとお地蔵は認識したが、キャラクターは認識しなかった

シーンポジションは「人物」のほかに「美肌」が追加された。どちらのモードも自動的に顔認識機はONになる

シーンポジション「人物」で撮影。毛穴やテカリが目立つ
F50fd/12M(4000×3000)
FINE(JPEG)
8mm(35mm相当)
シーンポジション:人物(F2.8、1/60秒)
ISO 400
赤目軽減発光

シーンポジション「美肌」。毛穴などがキレイに補正されている
F50fd/12M(4000×3000)
FINE(JPEG)
8mm(35mm相当)
シーンポジション:美肌(F2.8、1/60秒)
ISO 400
赤目軽減発光