多様化が進んだAjax Webアプリケーションフレームワーク

Ajax Webアプリケーションフレームワークはこの1年で多様化が進んだ。ひとつのフレームワークを使いつづけるのではなく、ほかのフレームワークも使ったことがある開発者が増えた。その中でもまず注目すべきは昨年も1, 2位だったPrototypeとScriptaculousが今回も1, 2位を独占していることだ。ただし、昨年ほど独占力はない。

次に注目すべきはDojo、jQuery、Yahoo! UIが大きな存在感を示していることだ。Dojoは19%から38%へ、jQueryは7%から48%へ、Yahoo! UIは5%から40%へと割合を伸ばした。新参者となるExt JSも最初から34%を確保するなど注目に値する。オフライン機能を提供するGoogle Gearsも初登場で22%を獲得した。

上位エントリの中では唯一Javaで開発するGWTが3%から17%へと割合を伸ばしている。JavaScriptを直接利用するフレームワークと比較するとそれ以外の言語を活用するフレームワークはシェアが低いが、こうしたなかでこれだけ確保できたとはJavaを使った開発が一定の市場を持っていることを示唆している。

総括すると、JavaScript Ajax WebアプリケーションフレームワークはPrototype、Scriptaculous、jQuery、Yahoo! UI、Dojo、Ext JSがいまもっとも注目されており、特にjQueryの成長が熱いということだろう。Ajax開発に求められるものとしてクロスブラウザレンダリングと実行時パフォーマンスが上位に挙げられており、jQueryの採用が伸びている背景にはそのあたりが関係していそうだ。

JavaScriptを使ったAjaxアプリケーション開発が加速

採用しているプログラミング言語やプラットフォームに大きな変化は見られない。2006年の調査と項目が違っているためそのまま比較はできないが、PHPが50%から53%へ微増、Javaが37%から38%へ微増、PythonとPerlがそれぞれ6.5%から10%へ増加している。

2006年の調査項目には追加されていないが、2007年からはJavaScriptとActionScript(Flash/Flex)が使っているプログラミング言語やプラットフォームに追加されており、それぞれ84%と17%という割合を取得していることに注目したい。Ajaxアプリケーションを開発する場合、JavaScriptがキーコンポーネントになっていることは間違いないところだ。

1年前の段階では、今後採用を検討したいプログラミング言語としてRubyとRuby on Railsを上げる意向を示す調査結果もあったが、「Ajaxian.com 2007 Survey Results」の結果を見るかぎりではRailsよりもJavaScriptを使ったAjax開発に多くの興味が注がれているようだ。