キヤノンは、10月上旬に同社のインクジェットプリンタ「PIXUS(ピクサス)」シリーズの新製品として、インクジェット複合機「MP970」「MP610」「MP520」「MP470」の4モデル、単機能プリンタ「iP4500」「iP3500」の2モデル、コンパクトフォトプリンタ「mini360」の1モデル、合計7機種を新たに発売する。価格は全製品ともオープンプライ ス。
「ホームプリント」でキレイを実現
新機能として注目される「自動写真補正」は「カメラメーカーでもあるキヤノンだからこそ、シャッターを切ったときのイメージを大切にして生み出した美しく自然な補正技術」だという。従来のオートフォトモード(色かぶり補正、階調補正、再度補正)と顔明るく補正(肌検出、逆光補正)に加えて、顔検出と高度なシーン分類機能を搭載することで、シーンごとに最適な明るさ、コントラストに補正がすることができる。上位機種である「MP970」「MP610」「MP520」とコンパクトモデル「mini360」は、パソコンに接続することなく、本体の操作だけで自動写真補正付きの「ホームプリント」を楽しむことが可能だ(その他の機種は、付属のソフトウェア「Easy-PhotoPrint EX」による自動写真補正が可能)。
キヤノンでは今回、従来の高品質な写真画質を生み出すプリントヘッド技術「FINE」や長期にわたり写真の美しさを保つ「ChromaLife100」、最適な色合いを追求する「キヤノンデジタルフォトカラー」の技術に「自動写真補正」機能を加えることで、理想的な写真プリントを提供していくとしている。
また、写真に手書き文字を合成する設定用紙である「手書きナビシート」は、文字を書き込むスペースに写真画像が薄く印刷されるようになり、正確な位置に文字やイラストを手書きすることが可能となっている。同社は、フォトレターの推進を含め、プリンタによる「ホームプリント」で写真をもっと楽しむ生活スタイルを提案していきたい考えだ。
起動時間と写真用紙にも大きな改善
自動写真補正に加えて、今回大きく改善されたのが、起動画面からキー操作が可能になるまでの時間を大幅に短縮したクイックスタート、プリントスピードアップ、パソコン用ソフトウェアの統合化である。クイックスタートは、例えば旧モデルのMP600では約20秒かかっていたキー操作可能までの時間が、MP610では約4秒に短縮されている。また、3サイズドロップレット技術とWエンコーダシステムによって、MP600では約24秒かかっていたL判印刷が、MP610では約18秒に短縮された。ソフトウェアに関しては、ランチャーソフト「Solution Menu」、入力統合ソフト「MP Navigator」、フォト出力統合ソフト「Easy-PhotoPrint EX」によって、一連の流れが3つのソフトによって簡単に行えるようになった。ただし、Solution MenuはWindowsのみの対応となっている。
写真用紙は、従来の「スーパーフォトペーパー」が「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド」に、「キヤノン光沢紙/エコノミーフォトペーパー」が「キヤノン写真用紙・光沢」に新しく切り替えられ計22商品が10月上旬より順次投入される予定。「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド」はレジンコート紙を中紙に採用した6層構造によって、従来の製品よりも高品位でありながら低価格を実現しているという。価格はオープンプライスで、キヤノンオンラインショップでは「キヤノン写真用紙・光沢ゴールドL判400枚」が1,990円で販売される予定。また、同社としては初のKGサイズ(102×152mm)が「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド」にラインナップされている。最上位の「プロフェッショナルフォトペーパー」はそのまま販売が継続される。
進化した充実のカラー複合機
「MP970」は、7色独立インクで最高印刷解像度9600dpi、4800dpiの高解像度CCDスキャンを搭載し、写真コピーやフィルムプリントに対応するフラッグシップモデル。直感操作性に優れた「Easy-Scroll Wheel」と3.5型のカラー液晶、有線LANを備え、デジタルテレビからのプリントもできる。さらに電源ONから約6秒でキー操作可能な「クイックスタート」に加え、DVD/CDレーベルプリント、自動両面印刷、2Way給紙にも対応。L判フチなし印刷1枚は約29秒。店頭予想価格は4万円前後。
「MP610」は、5色独立インクで最高印刷解像度9600dpi、L判フチなし1枚の印刷が約18秒の高速フォトプリントを実現した多機能モデル。有線LAN、4800dpiのCISスキャナを備え、「クイックスタート」機能では電源ONから約4秒で操作可能。2.5型のカラー液晶を搭載し、ダイレクトプリントにも対応する。店頭予想価格は、3万円前後。
「MP520」は、4色独立インクで最高印刷解像度4800dpi、2.0型のカラー液晶を備え、「クイックスタート」機能(約4秒)などに対応するコンパクトなハイスペックモデル。最高解像度2400dpiのCISスキャンを搭載し、オプションで、Bluetoothにも対応可能。L判フチなし印刷1枚は約37秒。店頭予想価格は、2万円前後。
「MP470」は、4色インク(3色カラー+ブラック)で最高印刷解像度4800dpi、L判フチなし印刷1枚・約38秒、A4カラーコピー1枚・約38秒のスピーディーな印刷に対応。ダイレクト印刷や「クイックスタート」機能(約6秒)にも対応し、1.8型のカラー液晶を持つ。店頭予想価格は、1万6千円前後。
単機能プリンタもより高速に
「iP4500」は、5色独立インクで最高印刷解像度9600dpi、3サイズドロップレット技術と紙送りの精度を高めるWエンコーダーシステムに採用で、L判フチなし印刷1枚・約18秒の高速印刷を実現。自動両面、2Way給紙、DVD/CDレーベルなど充実のマルチペーパーハンドリングを備える。店頭予想価格は、1万8千円前後。
「iP3500」は、4色独立インクで最高印刷解像度4800dpi、L判フチなし印刷1枚が約40秒で、カメラからダイレクトプリントができるPictBridge対応の単機能プリンタ。PC使用時は、自動写真補正にも対応する。店頭予想価格は、1万3千円前後
「mini360」は、4色一体型インクで最高印刷解像度9600dpi、2.5型のカラー液晶と「Easy-Scroll Wheel」、ダイレクト印刷機能を備えるコンパクトフォトプリンタ。電源ONから約5秒で操作可能な「クイックスタート」機能や写真の「再印刷」機能を搭載する。また、フォトフレームなどがダウンロードできる「キヤノンクリエイティブパーク」携帯サイトや2L判写真印刷にも対応。店頭予想価格は、2万円前後。