AMDは、ネイティブクアッドコアCPU「Quad-Core AMD Opteron」(コードネーム:Barcelona)を発表した。製造はFab 36で製造プロセスは65nm SOI。既にOEM向け出荷を開始しており、9月中には搭載製品が登場する予定だ。
Quad-Core Opteronは、4つのコアがそれぞれ64KBのL1キャッシュと512KBのL2キャッシュを持つとともに、全てのコアが共有するかたちで2MBのL3キャッシュを搭載する。ソケット形状は従来からOpteronに用いられているSocket F(Socket 1207)。メモリはレジスタードタイプのDDR2メモリで、DDR2-667までに対応する。
また、省電力や熱設計、仮想化技術などでも拡張が施されている。省電力機能では「AMD CoolCore Technology」、Power Now!を拡張した「Independent Dynamic Core Technology」、コアとメモリで独立した電力コントローラを持つ「Dual Dynamic Power Management (DDPM)」などを搭載する。仮想化技術では、「Rapid Virtualization Indexing」と呼ばれる技術が搭載される。
ネイティブなクアッドコアによるパフォーマンス、アップグレード可能なデザイン、省電力、そして仮想化技術の4点で、Quad-Core Opteronは現在のデータセンターの要求に応えると同社はアピールしている。
Quad-Core Opteronのリリースにあわせて、「ACP」(Average CPU Power)と呼ばれる、新たな消費電力の指標も公開されている。データセンターにおける一般的な処理を行った際に、平均的にどれだけの電力量を消費するかを算出する指標であり、ピーク時の熱設計電力(消費電力)を示す「TDP」(Thermal Design Power)とは異なる。
ラインナップは、2way向けがOpteron 2300シリーズ、8way向けがOpteron 8300シリーズ。Opteron 2300シリーズでは、消費電力が75W版の2350(2.0GHz) / 2347(1.90GHz)、55W版の2347 HE(1.9GHz) / 2346 HE(1.8GHz) / 2344 HE(1.7GHz)の5製品。Opteron 8300シリーズでは、8350(2.0GHz) / 8347(1.9GHz) / 8347 HE(1.9GHz) / 8346 HE(1.8GHz)の4製品が用意される。
8300シリーズ | 動作周波数 | 価格(ドル) |
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Opteron 8350 | 2.0GHz | 1,019 |
Opteron 8347 | 1.9GHz | 786 |
Opteron 8347 HE | 1.9GHz | 873 |
Opteron 8346 HE | 1.8GHz | 698 |
2300シリーズ | 動作周波数 | 価格(ドル) |
Opteron 2350 | 2.0GHz | 389 |
Opteron 2347 | 1.9GHz | 316 |
Opteron 2347 HE | 1.9GHz | 377 |
Opteron 2346 HE | 1.8GHz | 255 |
Opteron 2344 HE | 1.7GHz | 209 |