6日に開催された、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)主催のセミナー「Women's Summit Tokyo 2007 ~Managing Your Career~」。「個のリーダーシップで自分らしいキャリアを築く」と題したパネルディスカッションでは、NPO法人GEWELの副代表理事を務める佐渡アン氏をモデレーターに、官民の女性管理職を代表した4名のパネリストによるディスカッションが行われた。

日本を代表する女性リーダー4名たち。左から前田通子氏(日本HP)、定塚由美子氏(内閣府)、宮井真千子氏(松下電器産業)、アキレス美知子氏(住友スリーエム)

モデレータを務めたNPO法人GEWEL 副代表理事 佐渡アン氏

登壇した4人のパネリストは、家庭とキャリアの両立を実現してきたが、女性が社会で働き続けるにあたり、やはりハンディキャップの存在は否定できないという。内閣府の男女共同参画局推進課長の定塚由美子氏は、政治・経済活動への女性の参画指数を図る、GEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)を取り上げ、「日本は、男女を含めたHDI(人間開発指数)が世界7位であるのに対し、GEMは42位と、国際的に見ても女性の社会進出が遅れている」と日本の実態を指摘した。

これに対し、松下電器産業のクッキング機器ビジネスユニット長として、現在男性を中心とした400人を超える部隊を率いる宮井真千子氏は、「性差による思考パターンの違いはあるが、個々の仕事においては個人の差。男性/女性という意識をしたことはあまりない」と自らの実感を語った。しかし、どのパネリストも、子育てとキャリアの両立は可能だと断言する。

  • 完璧を目指そうとすると煮詰まってしまい、長続きしない。100%でなくてもいいぐらいの気持ちで仕事をしたほうが結果的にはうまく行くことが多い(住友スリーエム 人材・組織戦略部長・アキレス美知子氏)
  • できる範囲で協力しあいながらカバーしてやっていくことが必要(日本HPパーソナルシステム事業統括ボリュームオペレーション本部長 前田通子氏)
  • 子育てと仕事の両立は、頭で考えるのと現実のギャップで悩んだ時期もあった。たとえば子どもが熱を出したりしたとき、母親に世話をしてもらうのを急遽頼んだり、ベビーシッターを手配したりして、しばらくは綱渡りの生活が続く状態。仕事も子育ても中途半端になり悩んだ。でも後から考えると、それなりになんとかなるもの。穏やかに"なんとかなる!"ぐらいに気軽に構えたほうがいい(内閣府・定塚氏)

など、両立を実現させるためのコツが紹介された。