ふたたびエキサイティングなデスクトップ開発へ

こうしたWebアプリケーションとの連携強化はFLOSSデスクトップのみならず、WindowsやMac OS Xといった商用デスクトップでも進められることになるだろう。商用デスクトップとこれらFLOSSデスクトップとの違いは、商用デスクトップが同社の提供するオンラインサービスを基軸に進められだろうという点にある。一方、FLOSSデスクトップは、ユーザやコミュニティの流行を反映して人気のあるWebアプリケーションと随時連携されるだろう。

Webアプリケーションをベースとして活用しているということは、ユーザデータやコンフィグレーションがネットを通じて向こう側にあるということになる。これはLiveCDを本格的なOSとして使っていくうえでも都合がいい。普段使っていないPCからログインした場合に即同じ環境を実現したり、新しく購入したPCで従来と同じ環境を即時構築するといったことも、将来的には実現されることになりそうだ。

Gnomeはここ数回のメジャーアップデートで確実に扱いやすいものへと改善されているが、数年前のメジャーアップデートのような劇的な変更はなくなっている。KDEはKDE 3を公開してから次期メジャーリリースとなるKDE 4を依然としてリリースしておらず、2007年10月末に最初のKDE 4がやっとリリースされることになっている。BerylやCompizといった3Dデスクトップの登場など革新を続けてはいるものの、成熟期にはいったといった印象は強くなりつつあった。

しかしながら、オンラインデスクトップへの傾倒は、アプリケーションとしてユーザの興味を獲得したWebアプリケーションを、ふたたびデスクトップそのものに引きつけるという点でとても興味深い。一気に移行するわけではないが、今後数年間、FLOSSデスクトップはエキサイティングなリリースを続けることになりそうだ。オンラインデスクトップ、要注目だ。