プリンタの現状と目標について語る、セイコーエプソン 情報機器事業本部長 小口徹氏

セイコーエプソンは、既存プリンタからの置き換え用として省スペースタイプのA3対応カラーページプリンタ2機種「LP-S6000」「LP-S5000」の発表を行った。それぞれ6月下旬から順次発売する。

発表会では、セイコーエプソン 情報機器事業本部長 小口徹氏が、プリンタ市場の現状を説明。2006年はビジネス向けが45%、コンシューマー向けが55%を占めるが、2010年にはビジネス向けを55%まで引き上げるとした。これにより、プリンタ全体で安定した収益を目指す。これはワールドワイドの話で、日本市場ではすでにビジネス向けが6割を占めていると説明した。

多くの企業は、一元管理とコスト削減をうたう機器の集中化により、プリンタまで印刷物を取りに行くのがメンドウ、印刷物が集中することで印刷待ちが発生、柔軟性のないセキュリティなどの問題を抱えている。

今回の新機種では"分散配置"と"集中管理"を提案。デスクトップに置けるプリンタを分散配置することで使い勝手を向上させる。同時に、それらプリンタを印刷管理ソフトウェア「Offirio SynergyWare PrintDirector」で集中管理することでコスト削減を実現する。さらには、認証印刷を可能にする「Offirio SynergyWare 認証プロキシ」によって、用途に応じたセキュリティ対策も可能となっている。

「LP-S6000」

「LP-S6000」

「LP-S6000」は、4色の感光体とトナーカートリッジを直列に配置することで、いままで4列に分けていた色の重ねを同時に行えるようにした。これにより、カラー24枚/分、モノクロ30枚/分の高速印刷を実現している。A3対応カラープリンタでありながら感光体ドラムを小型化することで、本体を小型化。設置面積0.32平方mと、デスクトップサイズの省スペースを実現している。また、省スペースでありながら、3way給紙や両面印刷などに対応。POPやチラシからカタログ販促物、提案資料まで、オフィスで必要な様々なカラー印刷が可能になっている。

プリンタは、性能を維持するために定期的に交換が必要な部品がある。従来機種で交換する場合は、高度な知識と技術を持ったサービスマンに頼らなければいけなかったが、「LP-S6000」ではユーザー自身が簡単に交換できるように設計されている。これによりサービスマンを呼んで交換するまでに要した、印刷できない時間を大幅に短縮できる。

7月中旬発売予定で価格は179,800円。

「LP-S5000」

「LP-S5000」

「LP-S5000」は、モノクロ35.8枚/の高速印刷を実現しながらカラー印刷にも対応。設置面積0.27平方mの省スペース型で、用紙の補給やメンテナンスなどを全部フロントで行えるため、狭い場所にも設置できる。熱対策設計を行うことで、騒音の原因となるファンを廃止。デスクサイドに置いても音が気にならない。

6月下旬発売で価格は139,800円。

「Offirio SynergyWare PrintDirector」

「Offirio SynergyWare PrintDirector」

「Offirio SynergyWare PrintDirector」は、オフィスのさまざまな場所に配置したプリンタを、ネットワークを介して管理するソフトウェア。プリンタを使用する各ユーザーの印刷ログを自動収集でき、管理者は誰がいつ何を何枚印刷したかをチェックできる。

またユーザーごとに印刷枚数の上限を設定可能。設定した期間内に上限を超えるとユーザーに対して警告したり、印刷を停止したりできる。

各プリンタの消耗品状況や稼働状況を一元管理可能。定期的な間隔で監視でき、プリンタの障害をいち早く検知し、エラー発生時にはメールで通知してくれる。消耗品履歴や印刷枚数をグラフ化可能。このグラフを見れば、消耗品切れを事前に予測し、計画的に運用できる。

8月上旬に販売を開始し、価格は150,000円。

「Offirio SynergyWare 認証プロキシ」

「Offirio SynergyWare 認証プロキシ」

印刷管理ソフトウェア「Offirio SynergyWare PrintDirector」、またActive Directoryと連携する認証印刷システムを構築できる「Offirio SynergyWare 認証プロキシ」。生体認証印刷が行える指静脈認証装置、シンクライアント環境での認証印刷を提供する。これにより印刷環境はそのままに、プリンタ単体でのセキュリティ印刷から、システムと連携した認証印刷まで、管理レベル、セキュリティレベルにあわせた柔軟でセキュアな印刷環境を構築できる。

認証印刷では、出力した本人だけ、認証されたユーザーだけが印刷物を受け取ることが可能。個人情報や経営資料など重要機密情報がほかの印刷物に紛れ込んだり、間違って受け取ったりすることを抑制できる。

「Offirio SynergyWare 認証プロキシ」は7月下旬発売予定で価格は150,000円。卓上型指静脈認証装置と指静脈パターン登録用ソフトウェアは8月上旬発売予定で、価格はオープンプライス。